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149 八百萬本舗

(石川県 )

八百萬本舗の前進、旧志村金物店は数年ほど閉店をしていた。この商家は規模が大きかったので、単体の企業に貸したとしても撤退の意思も早い。そこで、金沢R不動産の小津氏は「必ず何か結果を残すので一棟、丸ごと借りられますか」と交渉する。

287 屋台空間カドレ(Ca'dore)

(ブラジル連邦共和国)

クリチバの北東部・バカチェリ地区で操業していた煉瓦工場の跡地につくられたアウトドアのフード・コート。再開発にあたってはサステイナブルな面が意識されており、店舗はコンテナを再利用したものとし、通路もリサイクルした建材を使っている。家族連れ、カップル、若者など、皆が楽しめるような空間づくりを目指している。「都市の鍼治療」提唱者であるジャイメ・レルネル氏も「素晴らしい空間」と高く評価した。

205 柳川市の堀割の復活

(福岡県)

福岡県柳川市は市内を堀割が縦横に流れている水郷都市である。堀割には一切の柵がなく、家などの建築物と見事に調和した田園景観をつくりだしている。人と自然環境とが見事に共存できている素晴らしい事例だと、ここを初めて訪れた人達は思うだろう。まさか、この堀割が埋め立て工事によって消滅寸前の危機に直面したことがあったなどということは想像できないのではないだろうか。

201 ユニオン・スクエア(ニューヨーク)とBID

(アメリカ合衆国)

ニューヨークのマンハッタンにあるユニオン・スクエアはブロードウェイとフォース・アヴェニューの交差点に19世紀前半につくられた公共空間。およそ40年前には、ニューヨークでも誰も足を踏み入れたくないような場所が、それを管理運営する組織を設立したことで大きく様変わりした。土曜日に開催される人気のファーマーズマーケットには12万人の市民が訪れる。

199 ユニオン・ステーションの再生事業

(アメリカ合衆国)

ユニオン駅の改修事業をするうえでのコンセプトは、「デンバーの居間」として、より多様な機能を担うということが挙げられた。その考えによってホテル、レストランや小売店、そして鉄道待ちの人以外でも使われるような公共空間という機能がここに導入されたのである。

240 由布院駅

(大分県)

都市の中央駅をうまく活かすことで、都市の多くの問題を改善させることが可能になる。由布院駅は、設計者に大分出身の世界的な建築家・磯崎新氏を起用。中央駅というものの象徴性、玄関口としての機能をしっかりと担いながら、湯布院の雰囲気づくりにも重要な役割を果たしている。

239 由布院駅周辺の交通体系再編成

(大分県)

駅前の渋滞・混雑に悩まされてきた由布院駅周辺は、ちょっとした一方通行の環をつくって自動車の動線を簡潔化することにより、人々のモビリティを大幅に向上させた。モータリゼーション以前に駅前空間を整備した観光都市などにおいては、大いに参考にする価値があると思われる。

045 ユルバ・ブエナ・ガーデンス・エスプラナーデ

(アメリカ合衆国)

ユルバ・ブエナ・ガーデンスはサンフランシスコの都心にある敷地の再開発である。とてつもない経済性が期待できる敷地にもかかわらず、それ自体では直接的にはお金を産み出さない公園を整備することをサンフランシスコ再開発局は決定した。マーケットの原理ではつくることができない、「大都市の真ん中の緑の広場」をつくりえたことは、このプロジェクトが住民のためのプロジェクトであることを物語っており、加えてアーバン・ランドスケープという観点からみて大変意義のあるプロジェクトであると考えられる。

235 用賀プロムナード

(東京都)

世田谷区の用賀駅から世田谷美術館までを結ぶようにつくられた、歩車共存の、公園のようなプロムナード。自動車を排除せずに、しかし、子供が遊んだり、お母さん達が井戸端会議をするような、交通機能以外の、広場的空間としての機能を十二分に享受できるような工夫が為されている。

196 ヨリドコ大正メイキン

(大阪府)

大阪のウォーターフロントである大正区の泉尾地区でも、近年、人口縮小という課題に直面しており、空き家が見られ始めている。一方で、大阪のアーティスト達にとって、大阪にはインキュベーター(孵化器)的な仕組みが不足していた。この二つの課題を解決し、さらに地域住民の交流を促すような目的でつくられたのが「ヨリドコ大正メイキン」である。

インタビュー

ジャイメ・レルネル氏インタビュー

(建築家・元クリチバ市長)

「よりよい都市を目指すには、スピードが重要です。なぜなら、創造は「始める」ということだからです。我々はプロジェクトが完了したり、すべての答えが準備されたりするまで待つ必要はないのです。時には、ただ始めた方がいい場合もあるのです。そして、そのアイデアに人々がどのように反応するかをみればいいのです。」(ジャイメ・レルネル)

鈴木伸治氏インタビュー

(横浜市立大学国際教養学部教授)

ビジネス、観光の両面で多くの人々をひきつける港町・横浜。どのようにして今日のような魅力ある街づくりが実現したのでしょうか。今回の都市の鍼治療インタビューでは、横浜市のまちづくりに詳しい、横浜市立大学国際教養学部の鈴木伸治教授にお話を聞きました。

柴田久 福岡大学教授インタビュー

(福岡大学工学部社会デザイン工学科教授)

都市の鍼治療 特別インタビューとして、福岡大学工学部社会デザイン工学科教授の柴田 久へのインタビューをお送りします。
福岡市の警固公園リニューアル事業などでも知られる柴田先生は、コミュニティデザインの手法で公共空間をデザインされています。
今回のインタビューでは、市民に愛される公共空間をつくるにはどうすればいいのか。その秘訣を伺いました。

高尾忠志(地域計画家)インタビュー

(地域計画家)

今回の「都市の鍼治療インタビュー」は、九州の都市を中心に都市デザインに携わっている地域計画家の高尾忠志さんへのインタビューをお送りします。優れた景観を守ための開発手法や、複雑な事業を一括して発注することによるメリットなど、まちづくりの秘訣を伺います。

鳴海邦碩氏インタビュー

(大阪大学名誉教授)

1970年代から長年にわたり日本の都市計画・都市デザインの研究をリードしてきた鳴海先生。ひとびとが生き生きと暮らせる都市をめざすにはどういう視点が大事なのか。
これまでの研究と実践活動の歩みを具体的に振り返りながら語っていただきました。

中村ひとし氏インタビュー

(クリチバ市元環境局長)

シリーズ「都市の鍼治療」。今回は「クリチバの奇跡」と呼ばれる都市計画の実行にたずさわったクリチバ市元環境局長の中村ひとしさんをゲストに迎え、お話をお聞きします。

対談 福田知弘 × 服部圭郎

(大阪大学サイバーメディアコモンズにて収録)

お金がなくても知恵を活かせば都市は元気になる。ヴァーチャルリアリティの専門家でもある福田先生に、国内・海外の「都市の鍼治療」事例をたくさんご紹介いただきました。聞き手は「都市の鍼治療」伝道師でもある、服部圭郎 明治学院大学経済学部教授です。

対談 阿部大輔 × 服部圭郎

(龍谷大学政策学部にて収録)

「市街地に孔を開けることで、都市は元気になる。」(阿部大輔 龍谷大学准教授)
データベース「都市の鍼治療」。今回はスペシャル版として、京都・龍谷大学より、対談形式の録画番組をお届けします。お話をうかがうのは、都市デザインがご専門の阿部大輔 龍谷大学政策学部政策学科准教授です。スペイン・バルセロナの都市再生に詳しい阿部先生に、バルセロナ流の「都市の鍼治療」について解説していただきました。

岡部明子氏インタビュー

(建築家・東京大学教授)

「本当に現実に向き合うと、(統計データとは)違ったものが見えてきます。この塩見という土地で、わたしたちが、大学、学生という立場を活かして何かをすることが、一種のツボ押しになり、新しい経済活動がそのまわりに生まれてくる。新たなものがまわりに出てくることが大切で、そういうことが鍼治療なのだと思います。」(岡部明子)

今回は、建築家で東京大学教授の岡部明子氏へのインタビューをお送りします。

土肥真人氏インタビュー

(東京工業大学准教授)

今回の「都市の鍼治療インタビュー」は、東京工業大学准教授の土肥真人氏へのインタビューをお送りします。土肥先生は「エコロジカル・デモクラシー」をキーワードに、人間と都市を生態系の中に位置づけなおす研究に取り組み、市民と共に新しいまちづくりを実践されています。

饗庭伸教授インタビュー

(東京都立大学都市環境学部教授)

人口の減少に伴って、現代の都市ではまるでスポンジのように空き家や空きビルが広がっています。それらの空間をわたしたちはどう活かせるのでしょうか。『都市をたたむ』などの著作で知られる東京都立大学の饗庭 伸(あいば・しん)教授。都市問題へのユニークな提言が注目されています。饗庭教授は2022年、『都市の問診』(鹿島出版会)と題する書籍を上梓されました。「都市の問診」とは、いったい何を意味するのでしょうか。「都市の鍼治療」提唱者の服部圭郎 龍谷大学教授が、東京都立大学の饗庭研究室を訪ねました。

お話:饗庭 伸 東京都立大学都市環境学部教授
聞き手:服部圭郎 龍谷大学政策学部教授