フィンランド共和国の事例
(フィンランド共和国)
エスプラナーデはヘルシンキの中心、フェリー乗り場とスウェーデン劇場とを結ぶ場所に位置する回廊状の公園である。ヘルシンキの住民は、この公園を「エスパ」と呼び、親しんでいる。決して広くはないが、フィンランドでおそらく最も有名な公園であると指摘されている。
(フィンランド共和国)
ヘルシンキ中央図書館は、個人ではアクセスが難しいものも、「共有」を通じて誰もが必要なものにアクセス可能になるという、図書館の新しい役割を教えてくれる。図書館が貸すのは「本」や「CD」に限られる必要はない。音楽スタジオ、撮影スタジオ、仕事場(オフィス)、ゲーム機とゲーム・ソフト、高級工具であっても構わないのである。
(フィンランド共和国)
ヘルシンキという都市の物語の主人公のような空間であり、この空間がなければ、ヘルシンキという都市の格は随分と下がっただろうと思われる。設計者エンゲルはこの空間をつくることでヘルシンキに都市の魂を注入することに成功したと思われる。
(フィンランド共和国)
フィンランドの首都ヘルシンキから鉄道で一時間ほど北にいったところにある地方都市ラハティのアンティランマキ地区。フィンランドのちょっと懐かしい時代を彷彿させるレトロな地区として人気を集めている。保全計画の内容をみるとあまりの細かさに驚くのだが、それを「大切である」と人々が共有することでそこに価値が醸成されていくという好例であろう。
(フィンランド共和国)
ヘルシンキの青空市場であるカウパットリは、ヘルシンキを代表する都市空間であるが、それに隣接したこのオールド・マーケットホールもヘルシンキのシンボル的な都市空間である。2014年に1500万ユーロをかけてリノベーションが施されたが、その歴史的な雰囲気はしっかりと保全されている。
(フィンランド共和国)
ヘルシンキのヘルネザーリ地区では大規模な再開発が進んでいる。 この工事現場を目隠しするように1キロメートルに及ぶ長大な壁画が描かれた。そこにはヘルシンキの24時間を1時間ごとに区切った絵が描かれている。工事現場の壁という無味乾燥になりがちなものを魅力的な空間に変えるアプローチである。
(フィンランド共和国)
広大なる再開発地区に人々の注目を集めさせることはなかなか難しい。そこに人々の足を運ばせるとなると尚更である。しかし、ヘルシンキの海沿いに広がる再開発地区につくられたロウリュ公共サウナは、ウォーターフロントに対するヘルシンキ市民の意識を変えるようなプロジェクトとなっている。
インタビュー
(建築家・元クリチバ市長)
「よりよい都市を目指すには、スピードが重要です。なぜなら、創造は「始める」ということだからです。我々はプロジェクトが完了したり、すべての答えが準備されたりするまで待つ必要はないのです。時には、ただ始めた方がいい場合もあるのです。そして、そのアイデアに人々がどのように反応するかをみればいいのです。」(ジャイメ・レルネル)
(横浜市立大学国際教養学部教授)
ビジネス、観光の両面で多くの人々をひきつける港町・横浜。どのようにして今日のような魅力ある街づくりが実現したのでしょうか。今回の都市の鍼治療インタビューでは、横浜市のまちづくりに詳しい、横浜市立大学国際教養学部の鈴木伸治教授にお話を聞きました。
(福岡大学工学部社会デザイン工学科教授)
都市の鍼治療 特別インタビューとして、福岡大学工学部社会デザイン工学科教授の柴田 久へのインタビューをお送りします。
福岡市の警固公園リニューアル事業などでも知られる柴田先生は、コミュニティデザインの手法で公共空間をデザインされています。
今回のインタビューでは、市民に愛される公共空間をつくるにはどうすればいいのか。その秘訣を伺いました。
(地域計画家)
今回の「都市の鍼治療インタビュー」は、九州の都市を中心に都市デザインに携わっている地域計画家の高尾忠志さんへのインタビューをお送りします。優れた景観を守ための開発手法や、複雑な事業を一括して発注することによるメリットなど、まちづくりの秘訣を伺います。
(大阪大学名誉教授)
1970年代から長年にわたり日本の都市計画・都市デザインの研究をリードしてきた鳴海先生。ひとびとが生き生きと暮らせる都市をめざすにはどういう視点が大事なのか。
これまでの研究と実践活動の歩みを具体的に振り返りながら語っていただきました。
(クリチバ市元環境局長)
シリーズ「都市の鍼治療」。今回は「クリチバの奇跡」と呼ばれる都市計画の実行にたずさわったクリチバ市元環境局長の中村ひとしさんをゲストに迎え、お話をお聞きします。
(大阪大学サイバーメディアコモンズにて収録)
お金がなくても知恵を活かせば都市は元気になる。ヴァーチャルリアリティの専門家でもある福田先生に、国内・海外の「都市の鍼治療」事例をたくさんご紹介いただきました。聞き手は「都市の鍼治療」伝道師でもある、服部圭郎 明治学院大学経済学部教授です。
(龍谷大学政策学部にて収録)
「市街地に孔を開けることで、都市は元気になる。」(阿部大輔 龍谷大学准教授)
データベース「都市の鍼治療」。今回はスペシャル版として、京都・龍谷大学より、対談形式の録画番組をお届けします。お話をうかがうのは、都市デザインがご専門の阿部大輔 龍谷大学政策学部政策学科准教授です。スペイン・バルセロナの都市再生に詳しい阿部先生に、バルセロナ流の「都市の鍼治療」について解説していただきました。
(建築家・東京大学教授)
「本当に現実に向き合うと、(統計データとは)違ったものが見えてきます。この塩見という土地で、わたしたちが、大学、学生という立場を活かして何かをすることが、一種のツボ押しになり、新しい経済活動がそのまわりに生まれてくる。新たなものがまわりに出てくることが大切で、そういうことが鍼治療なのだと思います。」(岡部明子)
今回は、建築家で東京大学教授の岡部明子氏へのインタビューをお送りします。
(東京工業大学准教授)
今回の「都市の鍼治療インタビュー」は、東京工業大学准教授の土肥真人氏へのインタビューをお送りします。土肥先生は「エコロジカル・デモクラシー」をキーワードに、人間と都市を生態系の中に位置づけなおす研究に取り組み、市民と共に新しいまちづくりを実践されています。
(東京都立大学都市環境学部教授)
人口の減少に伴って、現代の都市ではまるでスポンジのように空き家や空きビルが広がっています。それらの空間をわたしたちはどう活かせるのでしょうか。『都市をたたむ』などの著作で知られる東京都立大学の饗庭 伸(あいば・しん)教授。都市問題へのユニークな提言が注目されています。饗庭教授は2022年、『都市の問診』(鹿島出版会)と題する書籍を上梓されました。「都市の問診」とは、いったい何を意味するのでしょうか。「都市の鍼治療」提唱者の服部圭郎 龍谷大学教授が、東京都立大学の饗庭研究室を訪ねました。
お話:饗庭 伸 東京都立大学都市環境学部教授
聞き手:服部圭郎 龍谷大学政策学部教授