高齢化への対応に関する事例

273 長崎の斜面移送システム

(日本)

急斜度で知られる長崎市の住宅地を、定員2名のまさに電話ボックスのような箱が分速15メートルで移動する。乗車できるのは地元住民のみで、専用のカードが必要。利用は無料だ。移動スピードは歩いているようなものであるが、長い階段を登らなければならない高齢者にはまさにオアシスのように思われるのではないだろうか。

239 由布院駅周辺の交通体系再編成

(日本)

駅前の渋滞・混雑に悩まされてきた由布院駅周辺は、ちょっとした一方通行の環をつくって自動車の動線を簡潔化することにより、人々のモビリティを大幅に向上させた。モータリゼーション以前に駅前空間を整備した観光都市などにおいては、大いに参考にする価値があると思われる。

228 喫茶ニューMASA

(日本)

大阪駅から徒歩で10分ほどの距離にある中崎町に、昭和のレトロ感溢れる喫茶店ニューMASAがある。この喫茶店は「譲り店(ゆずりみせ)」である。譲り店とは、昔からずっと営んできたお店のマスターが主に高齢などが理由で、そろそろ辞めようと考えた時、店を継いでもらうのでもなく、売るのでもなく「譲る」という発想で、新しいオーナーに店を引き継ぐというスタイルのお店である。

218 松應寺横丁にぎわいプロジェクト

(日本)

松應寺横丁には、戦後の闇市発祥の商店街と木造のアーケード、狭隘な路地が残っており、それらが昭和30年代のレトロな雰囲気を醸しだし、訪れる人々に強烈な郷愁を誘う。しかし、同プロジェクトが開始される前は、ここはもはや崩れかける寸前のような状態であった。それを、地元のNPOが住民と丁寧なコミュニケーションを重ねることで、その問題をテキスト化し、人々に共通した問題意識を持たせることに成功した。

120 ひまわり号

(日本)

鳥取県の江府町、日野町。多くの過疎集落を抱え、買物難民が生まれるような条件をほぼ満たしている地域である。しかし、ここではそのような問題は深刻化していない。なぜなら、安達商事という一民間企業が「ひまわり号」という移動販売を提供しているからだ。

インタビュー

ジャイメ・レルネル氏インタビュー

(建築家・元クリチバ市長)

「よりよい都市を目指すには、スピードが重要です。なぜなら、創造は「始める」ということだからです。我々はプロジェクトが完了したり、すべての答えが準備されたりするまで待つ必要はないのです。時には、ただ始めた方がいい場合もあるのです。そして、そのアイデアに人々がどのように反応するかをみればいいのです。」(ジャイメ・レルネル)

鈴木伸治氏インタビュー

(横浜市立大学国際教養学部教授)

ビジネス、観光の両面で多くの人々をひきつける港町・横浜。どのようにして今日のような魅力ある街づくりが実現したのでしょうか。今回の都市の鍼治療インタビューでは、横浜市のまちづくりに詳しい、横浜市立大学国際教養学部の鈴木伸治教授にお話を聞きました。

柴田久 福岡大学教授インタビュー

(福岡大学工学部社会デザイン工学科教授)

都市の鍼治療 特別インタビューとして、福岡大学工学部社会デザイン工学科教授の柴田 久へのインタビューをお送りします。
福岡市の警固公園リニューアル事業などでも知られる柴田先生は、コミュニティデザインの手法で公共空間をデザインされています。
今回のインタビューでは、市民に愛される公共空間をつくるにはどうすればいいのか。その秘訣を伺いました。

高尾忠志(地域計画家)インタビュー

(地域計画家)

今回の「都市の鍼治療インタビュー」は、九州の都市を中心に都市デザインに携わっている地域計画家の高尾忠志さんへのインタビューをお送りします。優れた景観を守ための開発手法や、複雑な事業を一括して発注することによるメリットなど、まちづくりの秘訣を伺います。

鳴海邦碩氏インタビュー

(大阪大学名誉教授)

1970年代から長年にわたり日本の都市計画・都市デザインの研究をリードしてきた鳴海先生。ひとびとが生き生きと暮らせる都市をめざすにはどういう視点が大事なのか。
これまでの研究と実践活動の歩みを具体的に振り返りながら語っていただきました。

中村ひとし氏インタビュー

(クリチバ市元環境局長)

シリーズ「都市の鍼治療」。今回は「クリチバの奇跡」と呼ばれる都市計画の実行にたずさわったクリチバ市元環境局長の中村ひとしさんをゲストに迎え、お話をお聞きします。

対談 福田知弘 × 服部圭郎

(大阪大学サイバーメディアコモンズにて収録)

お金がなくても知恵を活かせば都市は元気になる。ヴァーチャルリアリティの専門家でもある福田先生に、国内・海外の「都市の鍼治療」事例をたくさんご紹介いただきました。聞き手は「都市の鍼治療」伝道師でもある、服部圭郎 明治学院大学経済学部教授です。

対談 阿部大輔 × 服部圭郎

(龍谷大学政策学部にて収録)

「市街地に孔を開けることで、都市は元気になる。」(阿部大輔 龍谷大学准教授)
データベース「都市の鍼治療」。今回はスペシャル版として、京都・龍谷大学より、対談形式の録画番組をお届けします。お話をうかがうのは、都市デザインがご専門の阿部大輔 龍谷大学政策学部政策学科准教授です。スペイン・バルセロナの都市再生に詳しい阿部先生に、バルセロナ流の「都市の鍼治療」について解説していただきました。

岡部明子氏インタビュー

(建築家・東京大学教授)

「本当に現実に向き合うと、(統計データとは)違ったものが見えてきます。この塩見という土地で、わたしたちが、大学、学生という立場を活かして何かをすることが、一種のツボ押しになり、新しい経済活動がそのまわりに生まれてくる。新たなものがまわりに出てくることが大切で、そういうことが鍼治療なのだと思います。」(岡部明子)

今回は、建築家で東京大学教授の岡部明子氏へのインタビューをお送りします。

土肥真人氏インタビュー

(東京工業大学准教授)

今回の「都市の鍼治療インタビュー」は、東京工業大学准教授の土肥真人氏へのインタビューをお送りします。土肥先生は「エコロジカル・デモクラシー」をキーワードに、人間と都市を生態系の中に位置づけなおす研究に取り組み、市民と共に新しいまちづくりを実践されています。

饗庭伸教授インタビュー

(東京都立大学都市環境学部教授)

人口の減少に伴って、現代の都市ではまるでスポンジのように空き家や空きビルが広がっています。それらの空間をわたしたちはどう活かせるのでしょうか。『都市をたたむ』などの著作で知られる東京都立大学の饗庭 伸(あいば・しん)教授。都市問題へのユニークな提言が注目されています。饗庭教授は2022年、『都市の問診』(鹿島出版会)と題する書籍を上梓されました。「都市の問診」とは、いったい何を意味するのでしょうか。「都市の鍼治療」提唱者の服部圭郎 龍谷大学教授が、東京都立大学の饗庭研究室を訪ねました。

お話:饗庭 伸 東京都立大学都市環境学部教授
聞き手:服部圭郎 龍谷大学政策学部教授