東北復興は、次世代型まちづくりの手本を示せるのか

連載 東北復興は、次世代型まちづくりの手本を示せるのか
第2回 「東北復興と次世代型テクノロジー(その1)」~環境・エネルギー・情報~

東日本大震災から2年、主要な都市基盤や住宅の再建の方向性が見えつつある中で、環境・エネルギー・情報関係の政策もいよいよ本格的な検討の段階に入ってきた。これらの政策テーマは、そもそも現在の我が国全体の主要な政策の柱として注目されてきた分野であり、復興の過程の中で、これらの技術を導入し、新しい地域づくりのモデルとしていこうとする発想もあるだろう。

一方、このテーマは「時代の流れに乗って」ということだけで考えられているものではない。今回の震災では、福島第一原発の事故とその後の処理、福島県各地の被災地への対応などを通じで、政策決定や情報の流通、地域の自治・危機管理のあり方に、国民の多くが不安を抱き、ある種の危機感を持った。特にエネルギー政策や、情報政策に関しては、この震災の経験を踏まえ、新たな技術を活用して、地域がハンドリングでき、市民が意思決定に関与できる政策テーマとして、安全で安心できる地域社会を実現するためのツールという点で期待されているものと思われる。

特に今回注目されたこととして、SNSを通じた個人レベルでの情報の流通、企業による現場のリアルタイムの情報提供などがある。また、一方で津波からの避難、その後の避難所での地域運営の面では、一人一人の人間の「絆」、地域社会・コミュニティとしての靭帯の強さが試された面もあり、特に情報政策の面では、次世代型テクノロジーの活用が、個々人や地域社会の連帯・信頼関係、倫理観などを根拠にしていないと十分には使いこなせない、ということも明らかにしたのではないだろうか。

さて、今回の論考では、このような背景を踏まえ、次世代型テクノロジーとして、「環境・エネルギー・情報」という分野が、東北地方でどのように展開されようとしているか、また、各地で現在どのようなチャレンジがなされているかを見ていこう。

■内容|第2回 「東北復興と次世代型テクノロジー(その1)」~環境・エネルギー・情報~

1 震災復興の現場で注目される「環境・エネルギー・情報政策」
(1) はじめに
(2) 国はどう考えたか
(3) 自治体は何を目指しているか?

2 環境「自然豊かな東北で、自然との共生のヴィジョン、アイデアは見えつつあるか?」
(1) 震災復興における自然環境政策の意味とは
(2) グリーン復興ビジョン(環境省)
(3) 防潮堤と自然環境―「森の防潮堤」は実現するか

3 エネルギー「再生可能エネルギー事業は、東北の新しい地域づくりの道を拓くか?」
(1) はじめに
(2) 再生可能エネルギーと復興
(3) 事例にみる再生可能エネルギー戦略その課題と東北の復興
事例1: 岩手県葛巻町くずまきまち―東北における先駆者
事例2: 岩手県釜石市―地産地消をめざして
事例3: 宮城県大衡村おおひらむら―東北のビッグプロジェクト
(4) 産・官・民・専の連携
(5) 再生可能エネルギー先進国に学ぶー地産地消を生み出すには
(6) 再生可能エネルギーが拓く新しい地域社会

4 情報「国家システムに頼らない市民ベースの情報ネットワークは構築できるか?」
(1) 情報の壁、信頼のメルトダウン、選択の困難性
(2) 薄くて広い支援、ハッカー、API
(3) ネットできっかけをつくり、現地での活動につなげる
(4) ニュースとオピニオンで復興支援

企画・制作:
公益財団法人ハイライフ研究所 / NPO 法人日本都市計画家協会

 

第2回レポート全文は以下のPDFでお読みいただけます。

 第2回 「東北復興と次世代型テクノロジー(その1)」~環境・エネルギー・情報~

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