<エイジングとデザイン>
第3回 —「ヒアリング2」
目次
1.第3回 —「ヒアリング2」
2.PDFテキスト
3.研究者プロフィール
第3回 —「ヒアリング 2」
今回のヒアリングは前回(第2回)に引き続き、「コミュニティカフェみぬまハウス」で行われた9名の女性を対象にしたものです。
ヒアリングを重ねるにつれ、「コミュニティカフェ」に参加し、互いに声を掛け合って生きてゆこうとされている女性たちの自立と共助への意識の高さには、改めて私たちも感心させられると共に、敬服する部分が実に多くあります。
身体的な老化や疾病を口にされても、感覚や感受性の豊かさや健全さには正直想像以上のものがあって驚かされもします。
これまでのヒアリング体験を通して、一つ明らかに指摘できることがあります。それは、一般的に高齢者とくくられる被験者の皆さんが今回の様な「感覚」についての会話(調査)に対し、そのものを大変楽しんで、しかも能弁に自身の感覚について語りえることでした。
感覚について語ることが皆さんには苦痛でない様に感じられました。高齢者が自身の感覚を思うままに語ると云うことの意味を考える必要があるかと思います。
まずは、その様な機会が極めて少ないこと、しかも若い人たちと感覚について語り合うと云うことの機会がとても少ないことなどを考え合わせると、自身の感覚を他者に示し、少しでも感覚共有がそこに見い出せるとしたら、少し心豊かになれるのではないか、感覚についてのヒアリングがその様な場や機会をもたらすものになったと思われます。
改めて「感覚」を媒介とする異世代との交流の余地と可能性を想わせるものになった様な感じを持ちました。(真壁)
※連載テキストの全文は以下のPDFテキストにてご覧いただけます。
PDFテキスト:エイジングとデザイン|第3回 —「ヒアリング 2」
<プロフィール>
真壁智治(まかべ・ともはる)
1943年生まれ。プロジェクトプランナー。武蔵野美術大学造形学部建築学科卒業。東京芸術大学大学院美術研究科建築専攻修了。同大学助手を経てプロジェクトプランニングオフィス「M.T.VISIONS」主宰。〈建てない建築家〉を標榜し、広汎な知己力と旺盛な構想力を駆使して、戦略的視点に立つ都市・建築・住宅分野のプロジェクトに取り組んできた。
2000年より、都市・建築を「伝える」、「論じる」、「表す」、「現す」ことに専心。時代の大きな変動に向き合い、〈建てない建築家〉の真骨頂を発揮していく。
家を伝える本シリーズ「くうねるところにすむところ」で第2回芦原義信賞を受賞。(2006)。近年、カワイイデザイン研究に力を注ぐ。
主な著書に、「アーバン・フロッタージュ」(住まいの図書館出版)、「感応」(用美社)、「感性工作者の日常発想」(三省堂)、「家のワークショップ」(ワールドフォトプレス)、「これからのくらしとあかり」(エクスナレッジ)、「カワイイパラダイムデザイン研究」(平凡社)などがある。
チームカワイイ
共立女子大学家政学部建築デザイン科「建築産業論」デザインマーケティング演習として2005年より行われた「カワイイ感性価値研究」から派生した有志による建築研究ユニット。
今回の「エイジングとデザイン」研究では、共立女子大学堀啓二ゼミ学部3年生を中心とした「チームカワイイ」チームが当ります。
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