連載|ヨーロッパから学ぶ「豊かな都市」のつくりかた
―今回の連載にあたって―
明治学院大学経済学科准教授 服部圭郎
我が国は戦後の焼け跡から奇跡的な復興を遂げ、経済的には世界第2位の規模を誇るまで成長した。消費天国ともいうべき多くの「モノ」に囲まれ、むしろ新たに人々の需要を喚起することが課題となっているほど物質的には飽和状態にある。
しかし、翻って我々が生活する都市を眺めると、その景観は貧相で個性的で、その地域の風土を反映するような個性は感じられない。
日本の都市空間はどうすれば豊かになれるのだろうか。一方でなぜ、ヨーロッパでは豊かな都市空間、潤いのある生活をする基盤としての都市を維持することに成功しているのだろうか。
本レポートでは幾つかのヨーロッパの豊かな都市空間の事例、特に筆者が生活をしたドイツを中心に分析し、その豊かさの要因を探ると同時に、それと比較される日本の都市・街の貧困さを描写し、どうすればこの格差を縮め、現状の問題を克服できるのかの提示を試みることを目的とする。レポートは6回に渡って報告させていただく。
執筆
明治学院大学経済学科准教授 服部圭郎
連載|ヨーロッパから学ぶ「豊かな都市」のつくりかた
[連載内容](予定)
ヨーロッパの都市の豊かさを探る5つのキーワード
視点1)アイデンティティ
ビルバオ
リヨン
プラハ
レーゲンスブルク
バルセロナ
視点2)脱自動車
ミュンスター
ケルン(シュテルベルク60)
ヴェンデル(スイス)
フライブルグ(ファウバーン)
シュトラスブール
視点3)豊かな公共空間
デュッセルドルフ
イエテボリ
ブリュッセル
コペンハーゲン
ハンブルグ(ハーフェン)
視点4)サステイナブル
ハンブルク(ウィルヘルムスブルグ)
ティルブルグ(生物多様性)
ハイデルベルグ
ファウバーン
ノルドライン・ヴェストファーレンのソーラー住宅
レスター
コペンハーゲンのクリスチャナ
センター・フォア・アルタナティブ・テクノロジー
視点5)縮小都市
デッサウ
ルール工業地方
ハレ
田園都市(ブランデンブルク州)
コットブス
ルターシュタット・アイスレーベン
取材・構成
服部圭郎 明治学院大学准教授
編集・配信
財団法人ハイライフ研究所
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