【連載】 第7回 地域の流入人口【通勤者・通学者】が都市活性を左右する|ポスト2020「東京の行方」-首都東京の変化を見る-
第7回 地域の流入人口【通勤者・通学者】が都市活性を左右する
戦後の東京に人口が集中する中、特別区(23区、以下同)の人口は、経済の発展とは裏腹に、増減、上下変動を繰り返した。それは東京の都市圏の拡大にほかならないが、注目したいのは昼間人口の持続的な増加である。東京都区部の人口は、1969(昭和44)年に8,663,875人と戦後最大の数を記録したが、2014(平成26)年に8,685,756人へと回復するまで約半世紀を費やしている。一方、昼間人口は、1千4万人から1千170万人と約166万人増加している。オリンピック以降の都市の変遷を見ていく場合、人口の動向が基本的なデータとなるが、その中でも人の流れや活動を示す流入人口データは都市や地域の変化を忠実に表現している。中でも、「地域の昼・夜間人口」「地域の注夜間人口比率」「流入(通勤者や通学者がカウントされる)人口」データは、地域の形成プロセスを見る場合、最も利用されるデータである。
今回のレポートでは、住民基本台帳と国勢調査の「流入人口」に注目して都市形成のプロセスを追うことにした。
本レポートは、大都市東京がどのように移り変わってきたのかを「人口・世帯」「ライフスタイル」「建築物」「地域開発」「交通」「小売業・流通業」のカテゴリーごとに分析・予測してゆく連載レポートであるが、今回のレポート第七回は、「東京の地域別流入人口【通勤者・通学者】からみる東京の変貌と都市生活」である。都市生活を「人口」から分析することは多いが、今回は人の行動や活動を表す流入人口データから巨大に膨れ上がった東京の変化をみた。ポスト東京の姿のカギを握るのは地域の昼間人口の動向だろう。
(なお本レポートの第一回レポートは『東京の人口編』、第二回は『東京の交通インフラ鉄道編』、第三回は『東京の流通小売編』、第四回は『東京の都市開発・都心オフィス編』、第五回は『東京の「経済力」編』、第六回は『東京の在住世帯の変貌と都市生活編』)
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