今、東京都市圏で最も注目されるのは、最大の人口数と世帯数、高い人口密度を持つ
東京10㎞~20㎞圏エリア
東京都市圏における『10㎞~20㎞圏エリア』にある街を探訪する。その魅力は?
■第8回 下北沢
駅前広場の整備の遅れで下北沢商店街に陰りが・・・。
大東京都市圏をつくってきた都心と郊外は、地域の若年人口動向や高齢化などの問題で大きく揺れ動いているが、人口増エリアとして注目が集まっているのが東京10㎞~20㎞圏のエリアだ。高度経済成長期のマイカー普及期以前に発展した住宅居住地をベースとして、駅前の整備や業務・商業地化がほどほどに進み、最近はマンションの建設が盛んだ。そしてこのエリアにある街々に2000年代からの都心や郊外拠点都市での大再開発プロジェクト施工の波が波及してきた。今後これらの街々の駅前を中心とする開発が進むと、都心や郊外の居住にも大きな影響を与えることは間違いない。この変化は、20世紀の「職住分離」という東京都市の生活スタイルを大きく変える起爆剤となりそうだ。
東京10㎞~20㎞圏の街がなぜ活性化しているのか?本探訪シリーズでは、今まで「自由が丘」「三軒茶屋」「北千住」「中野」「赤羽」「蒲田」をレポートしてきた。今回は東京の近郊で新宿と渋谷に隣接する世田谷の「下北沢」を取り上げた。
70年代80年代と渋谷街づくりが盛んで多くの若者が渋谷に集まったが、下北沢は大きな副都心に対抗するがごとく小劇場やライブハウス、アメリカンカジュアルファッションが下北沢駅前に集中出店し、狭いながらも密度のある若者の街として人気を呼んだ。それから約30年を過ぎようとする中、狭小でせまい街の形は今でも変わらない。
80年代ノスタルジアを醸し出すが、道路の不備により商店街全体の回遊性もままならない状態にあり、多くの人に楽しんでもらうショッピング環境としては、きわめて劣悪である。念願であった小田急線の駅の地下化が実現したものの駅前再開発は頓挫したままだ。2020年へ向け東京の都心部・副都心部が華麗なる変身を遂げ始める中、下北沢は、いまのままでいられるわけではない。再開発推進で大揺れする下北沢が新しく生まれ変わることができるのか。変われるパワーや素材が下北沢の街にあるのかどうか探ってみた。
執筆:立澤芳男(マーケット・プレイス・オフィス代表)
都市(街)探訪シリーズ 第8回レポート全文は以下のPDFでお読みいただけます。
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