テリトーリオ

vol.4

小堀研究室初の海外
テリトーリオ研究地
「イタリア」

「テリトーリオ」の語源でもあるイタリアでのテリトーリオ研究。

9/1 - 9/5にかけて行った調査には、法政大学 陣内秀信名誉教授、東海大学 稲益祐太先生、東京都立大学 高道昌志先生と共に南イタリアの「トロペーア」にて5日間調査を行いました。

日本とは異なる環境、食文化、建築様式。そこから考えたこと、発展させていったことをここに綴っていきます。

イタリアへの事前準備

小堀研究室の初海外プロジェクトであるイタリア。
慣れない海外への不安もあるなか私たちは、調査の事前準備として、定期ミーティング、読書会、旅のしおり作成、敷地模型作成をすることによってイタリアに対する知見を深めていきました。また、各都市でテリトーリオがどのように形成させていったのかを把握することで、より具体的に調査の概要をつかもうとしていきました。

イタリアでの調査内容について

小堀先生の師匠である陣内先生からお誘いをいただき、調査地であるトロペーアに限らず、ローマやナポリ、プローチダなどの都市も解説・ご案内していただき、大変お世話になりました。

また、今回のプロジェクトは現地コーディネーターまた、通訳を務めてくださった井谷直義さん、映画監督から建築プロデューサーまで様々なプロジェクトを行っている浜野安宏さんのお二人とともに進行していきました。

私たちは、テリトーリオ研究を行うと同時に「宿泊施設」の提案を行いました。
宿泊施設の敷地は浜野監督と関わりがあった、俳優であるサベリオさんの所有している土地で、トロペーアでのテリトーリオ調査から宿泊施設の提案内容を練り上げていきました。

私たちは、現地でのインタビューなど体験したことをベースとして設計提案に繋げていくために調査・ヒアリングを行いました。その調査を通じて

わかりやすいものの背後に隠れている
語られることのない物語

が潜んでいることがわかってきました。

以下に、9月1日から9月5日という5日間の中で、調査からプレゼンまでを行っていった概要を記します。

1日の流れ

  • Chimirri(キミッリ)先生によるレクチャー about Tropea
  • イタリアテリトーリオプロジェクト参加のメンバー全員での初の食事会!
  • 現地の方々によるガイドとともに街歩き&インタビュー
  • 一日の振り返り、階段全体ミーティング

都市を全身で感じ取る

キミッリ先生によるレクチャー about Tropea

一日の始まりはカラブリア大学の教授であるキミッリ先生によるトロペーアの歴史に関するレクチャーから始まりました。レクチャーは旧市街の中心の教会で行われました。

イタリア語でのレクチャーだったため言語の壁がありましたが、陣内先生の華麗な同時通訳によりトロペーアの歴史、現状を学ぶことができました。
レクチャーの中では、キミッリ先生のまちに対する「リスペクト」という単語が非常に印象的で、トロペーアはイスラームに影響を受けた都市構造を持っていることや歴史へのリスペクトを大切にしていることなど、事前に学習したインターネットの情報では知りえなかった貴重なお話を聞くことができました。
またレクチャーを通して、都市を読み解くには建物を理解することは大切であるが、それ単体では完璧に理解することは難しく、多角的な視点から都市を見ることが最も大切であることを学びました。

イタリアテリトーリオプロジェクト参加メンバー全員での初の食事会!

教会を出た後は旧市街地にあるレストランで昼食をいただきました。
プロジェクトメンバー全員が集まってから初めての食事会だったため、稲益祐太先生、高道昌志先生をはじめとする東海大学、東京都立大学のプロジェクトメンバーと親睦を深めることができました。

トロペーア発祥と聞いていた赤玉ねぎ(cipolla rossa)をふんだんに使ったローカルなピザやパスタをいただき、味覚でトロペーアの街を感じることができました。

現地の方々のガイドとともに街歩き&インタビュー

食事の後は現地のコーディネーターであるマリさんにガイドしていただき、プロジェクトメンバー全員で都市を把握するべく街歩きを行いました。
初めは街の中心である市役所に行きました。

市役所にはトロペーアの歴史に関する沢山の貴重な資料が保管されており、一つ一つ丁寧に説明していただきました。上記左下の写真からわかるように、かつては旧市街地のある崖から海へかごのついたロープを垂らし、物々交換をしていたようです。また、赤玉ねぎの特徴的な甘さの秘訣も教えていただきました。赤玉ねぎの独特な甘さは塩の多い海の近い環境で育てられることによってストレスがかかり生まれるのです。 その他にも、トロペーアに語り継がれる家紋についてや、かつての沿岸部の貿易港の存在など現地でしか知りえない情報を学ぶことができました。

市役所を出た後は街で一番古い大聖堂を案内していただきました。
地震により天井の木造部分は焼け落ちてしまいましたが、奇跡的に側面の組積造(そせきぞう)の部分が残り、修復して現在まで使われているそうです。壁面が厚く、開口部が少ないことからビザンツ様式であると推測されます。中ではパイプオルガンの美しい音色が大聖堂に響き渡っていました。

大聖堂を出た後もトロペーアの主要な場所を案内していただきました。
複数の道路が交差する場所で発生した偶発的な広場であるラルゴ(largo)、可変性のある小さなコミュニティであり日本でいう「お隣さん」を指すビチナート(vicinato)など、宿泊施設の設計を行う上でキーワードとなるトロペーアの文化を全身で体感することができました。

マリさんのガイドが終わりお別れした後も調査を続けていると、いつの間にか現地の方がガイドをしてくれていました。ガイドをしてくれた街のおじさんのお父さん、そのまたお父さんの時代までさかのぼった、現地の人にしかわからない本当の生の声を聞くことができました。
トロペーアに住む方々はみな自分の暮らす土地に誇りを持っていることをとても強く感じました。

一日の振り返り、階段全体ミーティング

調査が終わり、それぞれ食事を済ませた後はプロジェクトメンバー全員で一日を振り返るミーティングを行いました。2日目からのそれぞれの活動を踏まえた全体の方針決めや、一日で学んだことを改めて共有します。
ミーティングは私たちが宿泊する宿の前にある階段を活用して行うことで全員が気持ちの上ではフラットに参加することができ、とても有意義な時間を過ごすことができました。

キミッリ先生と陣内先生によるテリトーリオのレクチャーから始まり、トロペーアの旧市街の調査を行ったことでより深くトロペーアの都市性について知ることができました。

トロテーア2日目

1日の流れ

  • 井谷さんと顔合わせ&調査に付き添っていただけることに!
  • パルゲリーア(parghelia)での街歩き&インタビュー
  • パルゲリーアの市役所に入らせていただきました
  • 井谷さんとの会話
  • スーパーでの不思議な体験
  • 1日の振り返り・階段全体ミーティング

都市を全身で感じ取る

井谷さんと顔合わせ&調査に付き添っていただけることに!

2日目の最初にイタリアでコーディネーターとして活動し、トロペーアの名誉市民でもある井谷さんと対面しました。イタリアでの調査は言語の壁からコミュニケーション面での不安がありましたが、井谷さんに付き添っていただいたことで、私たちは街歩きだけではなく、実際に現地の人にヒアリングを行うこともできました。

パルゲリーアでの街歩き&インタビュー

パルゲリーアに到着すると、最初に見えたのは広場でした。木陰が涼しくて心地よく、男性がベンチに腰をかけて座っていました。まず井谷さんとともに、そこにいた男性たちにお話を聞いてみることにしました。
お話を聞いてみると、パルゲリーアはトロペーアの隣に位置するためつながりは強く、主に農産物の輸出拠点になっていたそうです。現在の主要産業は観光業と商業であり、観光客はトロペーアの混雑を避けて訪れるそうで、トロペーアと同様に7~8月にピークになり、9月以降は減少するそうです。また、赤玉ねぎがパルゲリーアでも栽培されているという意外な事実も判明しました。赤玉ねぎは周辺地域の海沿い8kmで栽培されており、収穫された赤玉ねぎは、トロペーアを通じてIGP認証(保護地理表示)を受けるため、赤玉ねぎが認知されているのはトロペーアだということがわかりました。このように、トロペーアとパルゲリーアは密接な関係性にあるということが分かりました。

日照時間が長く、美味しい作物が育ちやすい環境にあり、山からの水流によって、ビーチが形成されています。またこの美しい自然環境を保持するための条例も存在しているそうです。

トロペーアと同じように、パルゲリーアはこれまでの大地震の被害を大きく受けていたため、現在の街並みは鉄筋コンクリート造の建築で構成されています。歴史的な建築としては、教会が街の外れに位置しています。

市役所職員の方へのインタビュー&建物見学

広場でお話を伺ったアンドレアさんという男性の方から、市役所職員やパルゲリーア市長さんの紹介をしていただき、インタビューすることになりました。実際に市役所を見学し、パルゲリーアの貴重な歴史資料を拝見し、知見を深めました。

市役所には、これまでの大地震からの復興までに関する資料が展示されていました。パルゲリーアでは、カラブリア州が復興計画を主導し、基盤目状の整備や広場の計画的配置で人々の交流を促進するように街並みが形成されていったそうです。他にも、8月第2日曜日や9月30日に開催され、栗の収穫に合わせて踊る伝統行事や、コンビベンツァというおすそ分け文化があることなど、パルゲリーアについて学ぶ貴重な機会となりました。

観光面では、トロペーアと同じように、パルゲリーアでも車や人の混雑、B&B(民泊)が増えすぎることによる違法駐車などの迷惑行為等、同じような現象が起きているそうです。観光、産業においてもパルゲリーアは宿泊施設を提案するにあたって、重要な地域になりそうだと考えました。

井谷さんとの話し合い

昼食を済ませたあと、学んだこと、感じたことを整理するために井谷さんとテリトーリオやパルゲリーアについて意見交換をしました。
パルゲリーアでの調査でわかったこととしては、実は赤玉ねぎは特定の品種ではなく、季節、産地によって形や特徴はバラバラであり、産地はトロペーアに限らず、海沿い8kmで生産されているモノの総称であり、意図的に商品化(IGP認証)されているということです。このように、赤玉ねぎを中心としたテリトーリオはトロペーアだけでは収まらないということ、街単体ではなく相互関係で成り立っている関係性であるということから、わかりやすいものの背後にある語られることのない物語が重要なのではないかという結論に至りました。また調査の過程で語り手(小堀研究室)が体験することによってテリトーリオは変化するのではないか、そのようなボーダーレスな可変性を感じ取りました。この調査を通して、私たちはテリトーリオの本質を知るための第一歩を踏み出せたのではないでしょうか。

スーパーでの予想外な体験

調査を終え、宿に戻った後、夕食を作ろうと買い出しに行きました。そこで私たちは海が近いということで海鮮料理を作ろうと考えていましたが、スーパーに行くと、海鮮がほとんど置いていないという予想外な体験をしました。そこで私たちは赤玉ねぎがトロペーアの特産品ではなかったように、海や海鮮についても調査をしようというきっかけになりました。

一日の振り返り、階段全体ミーティング

1日目と同様に、プロジェクトメンバー全員で一日を振り返るミーティングを行いました。2日目の振り返りや気づき、今後の活動を共有し、テリトーリオの可視化に向けて、プロジェクトメンバーが一丸となってこの5日間を頑張っていこうという意気込みを感じました。

トロペーアで鮮魚が売られていなかったり、赤たまねぎが別の場所で作られているなど、トロペーアという概念が事前調査と異なってきていることを感じました。

トロテーア3日目

1日の流れ

  • カザーレ(集落)の1つ目リカーディ(Ricadi)を訪れる
  • 赤玉ねぎ博物館で赤玉ねぎの歴史を辿る
  • カザーレの2つ目ドラッピア (Drapia)を訪れる
  • カザーレの3つ目ダッフィナ(Daffinà)を訪れる

23の集落 カザーレ
(Casale)を巡る

トロペーアの周辺には23のカザーレと呼ばれる集落があり、トロペーアと23のカザーレとでは貿易や産業などさまざまな繋がりがあることがわかってきました。
トロペーア調査3日目ではこの23のカザーレの3つを巡ることができたので、ご紹介していきます。

カザーレの一つ目リカーディ(Ricadi)を訪れる

まずは、陣内先生や通訳を務めてくださっている井谷さんとマイクロバスでカザーレの一つ目であるリカーディを訪れました。

この街はかつては住宅に日干しレンガが使用されていることが特徴的で、現在では大地震の影響により1階建ての日干しレンガ建築だけが残っていました。地震の被害による影響で街も村もセメント、コンクリート化が進んでいました。
また、この町では赤玉ねぎとワインとオリーブが特産としてあり、オリーブオイルを作るという行為はフラントーリオとイタリア語ではいうそうです。カザーレは現在ではコムーネ(自治体)に変化していることや、23のカザーレも込みでトロペーアなんだとおっしゃっていたことが印象的でした。

次に案内していただいたのは、リカーディにある搾油場。トロペーア市が位置するカラブリア州では、プーリア州の次にオリーブオイルの生産が盛んに行われているため、搾油場が一定数残っているのですが、そのうちの一つを訪れました。この搾油場では戦前電力供給がうまく行われていないために水車をエネルギーとして搾油作業が行われていました。また、ロバを搾油場内に歩き回らせてその力でミルを引くなどの方法も取られていました。

搾油場から1時間くらいの距離にテラコッタ(素焼きの焼き物)を使用する職人がいたため、テラコッタを使用したオリーブオイル保存用つぼが残されており、見学させていただきました。現在ではテラコッタを用いた民芸品が多く作られているそうです。

赤玉ねぎ博物館で赤玉ねぎの歴史を辿る

リカーディのまちあるきのあとに、リカーディにある赤玉ねぎ博物館に訪れました。
このエリアでの赤玉ねぎはナポリを代表したイタリア国内の都市だけでなく船で国外にも輸出されていたそうで、トロペーアの貿易都市としての一面を垣間見ることができました。

赤玉ねぎの品種は数種類あり、この地域では同じ品種の赤玉ねぎを年に3回収穫するサイクルで生産が行われているそう。自然と環境の循環に加え、水や日照の調整で年3回の収穫が可能になっているようでした。また、現在は赤玉ねぎの生産のうち8割くらいは伝統農業として生産され、残りの2割くらいは企業での管理・生産が行われているそうです。

カザーレの2つ目ドラッピア(Drapia)を訪れる

その次に訪れたカザーレはドラッピアというまちです。このまちでは歴史的なものを守りながらサステナブルなものを作ることが志されている地域です。Drapiaにある農家、宿、レストランの複合経営を行なっているアグリリゾートでの見学を行いました。

ちょうどお昼時だったこともあり、軽食をいただきました。ここの農場で生産された作物をふんだんに使った料理に舌鼓を打ちました。私たちが訪れた9月は夏の作物の収穫時期を終えているため、トマトの保存食を作っているようで、このトマトの保存食が冬の食卓の中心を担っているそうです。

カザーレの3つ目ダッフィナ(Daffiná)を訪れる

最後に訪れたカザーレはダッフィナというまちです。このまちの特徴はバラックをそのまま住居に転用しているところにあります。また屋根が非常に薄く、窓がない建築がいくつも見られたことが印象的でした。また、まち歩きを進めていくと、植物が屋根全体を覆っている建物も多く見られました。イタリアでさまざまな都市を見ていく中であまり見られなかった軒下空間がいくつか見受けられ、親近感が感じられました。日本と違う点は素材です。ダッフィナの軒はテラコッタで作られているものが多く見られました。互いに地震や水害などの経験を経ることで自らの得意性を際立たせているように感じました。

トロペーアでのテリトーリオ調査を行う際に周辺地域との関係を見ていくことができたのはとても有意義でした!テクスチャやスケール感など翌日以降の設計提案でもきっと役立てていけると確信できました。

1日の流れ

  • トロぺーア、パルゲリーアへ市場のリサーチ
  • プレゼンテーションに向けての作業

語られることのない食の物語

トロぺーア、パルゲリーアへ市場のリサーチ

トロぺーアの4日目では、私たちが今回のプレゼンテーションの主題とした「食のテリトーリオ」の内容を具体的なものとするべく、トロぺーアとパルゲリーアの市場へ聞き込み調査を行いました。

まず初めにトロぺーアの市場へと行き、魚屋さんへの聞き込みを行いました。
海に面している街でありながら、スーパーではトロぺーア近海の魚は売っていなかったのですが、この魚屋さんでは、5~6人の地元漁師さん達から魚を仕入れていることがわかりました。

私たち自身、トロぺーアの滞在中はほとんど自炊をしていたため、スーパーにはよく行っていたのですが、トロぺーア近海の魚を見たのはこれが初めてでした。

トロぺーアの市場の八百屋さん達は忙しくしていたため、一旦トロぺーアを離れ、隣町のパルゲリーアに調査を行いに行きました。
すると、偶然にも俳優のサベリオさんと先日のパルゲリーアを案内していただいたアンドレアさんと出会い、調査に同行していただきました。

パルゲリーアには市場はないのですが、日本でいう小さなコンビニのようなお店があり、そこで調査を行いました。
お店では、店頭に並ぶ多くの商品の名前の後ろにつく「Di Tropea」と「Di locale」の違いについて詳しく聞くことができました。
これらは簡単に説明すると、

という意味です。

なので、トロぺーアで有名とされていた赤玉ねぎも実はパルゲリーアなどが産地なのです。
これが、トロぺーアでは語られない食の真実だったのです。

アンドレアさんとはここでお別れをして、トロぺーアに戻り、八百屋さんやお肉屋さんなどにも話を聞きました。
パルゲリーアでお聞きした話からリサーチを深めていくと、八百屋さんに並ぶ野菜や果物はそのほとんどが「Di locale(カラブリア州の)」であることがわかり、食のテリトーリオの広さを実感しました。

最後に調査を行った保存食屋さんでは、地元の人たちが普段何を食べているのかを聞くことができました。

プレゼンテーションに向けての作業

調査を終えて宿に戻り、プレゼンテーションに向けての資料作りや、調査内容のまとめを行いました。

認識が曖昧だったトロペーア産と地元産の違いが、「Di Tropea」だとトロペーア周辺のもので、「Di locale」だとカラブリア州で作られたものであることがわかりました。

1日の流れ

  • 旧市街地にある教会にてプレゼンテーション!
  • 5日間を振り返り、メンバーでの食事

トロペーア テリトーリオ PJ

発表資料の一部

私たちは、5日間で体験したこと・経験したことをベースとして、現地に住んでいるイタリアの方々に「テリトーリオを軸とした新しい文化体験型の宿泊施設」についてのプレゼンテーションを行いました!


トロペーアで見えてきたテリトーリオ

日本でのテリトーリオ調査とは違い、言語が異なっているため調査をすることは大変でしたが、その分文献ではなく、自分達の経験したことを軸に調査を進めていくことができました。
人伝いに地元の議員さんを紹介してもらったり、おじいちゃんに街案内をしてもらったり、人との交わりが大切であると感じられた調査でした。
そのような調査から、表層には見えていない「語られない物語」を私たちは発見しました。

事前調査ではトロペーアについて、イタリアのリゾート地であり赤玉ねぎが有名であるという程度しかわからなかったのですが、都市を少し広い視点から分析・調査を進めていくと、街の歴史やイタリア特有の文化からトロペーアの本質的な部分が見えてきました。
・トロペーアは貿易都市として栄えていた
・トロペーアを支えている赤玉ねぎの主な生産地である「23のカザーレ」の存在

千葉県流山市周辺地域、福井県福井市周辺地域、イタリアトロペーア地域と3地域に広がりを見せた2024年度のテリトーリオ研究。第2回、第3回、第4回と各地域での活動を振り返ってきましたが、次回は1年の総集編です。乞うご期待!

イタリアテリトーリオ
調査メンバー紹介