テリトーリオ

vol.1

2年目の
テリトーリオ研究

法政大学小堀研究室として2年目となるテリトーリオ研究プロジェクト。

昨年度の学びを生かし、今年度はどのようなことができるのか、話し合いを重ねてきました。

2年目としてより発展させる小堀研究室のテリトーリオ研究では、人によって解釈が異なる
「テリトーリオ」という曖昧な概念を再定義するところから始まります。
1年間の小堀研究室としての研究の一連の流れの概要をここにまとめます。

小堀研究室とテリトーリオ

小堀研究室では、昨年度同様陣内秀信先生と高村雅彦先生が書かれている
『建築史への挑戦‐住居から都市、そしてテリトーリオへ』
の読書会を実施し、小堀研究室としてのテリトーリオの再定義の議論を行い、

“テリトーリオ≒ノンスケールの全体性”

と捉え直しました。

ある地域での人の営みは政治的な境界線で分断されているわけではなく、網目状のネットワークで広がっています。
地域ごとの経済や文化、産業などの循環サイクルといった人の営みによるものを外部の人によるさまざまな視点から 調査し、対象都市や地域の全体像を捉えることがテリトーリオなのではないかと理解しました。

テリトーリオの“見える化”

曖昧な概念であり、地域またそこで活動している人により異なる「テリトーリオ」
そんな「テリトーリオ」を“見える化”していこうと考えました。
“見える化”する工程を踏むことで「テリトーリオ≒ノンスケールの全体性」をより深く理解していくことに繋げていけるのではないでしょうか。
本年度は昨年度同様インタビューも行いつつ、それらを私たちなりに再解釈してアウトプットしていくことを試みます。

3つの異なる地域の
テリトーリオを比較する

本年度は3つの地域でテリトーリオ研究を行う機会をいただきました。

①千葉県流山市周辺地域
(日本の中心都市郊外エリア)
②福井県福井市周辺地域
(日本の地方都市エリア)
③イタリアカラブリア州ヴィボ・ヴァレンツィア県トロペーア地域
(海外の都市エリア)

以上の性格の異なる3地域でのテリトーリオに関する調査を行います。

日本の中心都市郊外、地方都市、海外の都市という文化や地形、都市の成り立ちなどいくつもの異なる要素で構成されるそれぞれの地域で、それぞれに適した調査方法やアウトプット手法を議論し続け模索していくことで、テリトーリオの“ 見える化” をしていきます。
私たちの“ 見える化” の手法で考えられるものとして、地図やメッシュワーク図の作成、ワークショップの企画・運営・参加、設計提案などさまざまな方法を検討し、議論しています。
第2回以降では、各地域調査での活動内容、“ 見える化” の模索過程などをまとめていきたいと思います。