何をもって「経済的に自立している」とするのかですが、我々が自立を測る指標として用いたのが、「生活費用の担い手」です。本人の収入の多寡で自立を測る方法もありますが、そうではなく、「今の生活を誰が担っているのか」に注目し、さらにそれを「世帯単位」で見ている点がポイントです。というのも、この世代はすでに中年以上になっており、現在は結婚して家族を形成しているか、単身の場合でも親やきょうだいと同居して生活を支え合っていることが多いからです。
生活費用の担い手としては、「本人」だけの場合もあれば、「本人と配偶者」、そこに「父母」が加わる場合もあります。我々は、生活費用を「本人の世帯」で担っている場合、つまり「本人、配偶者、またはその両方」であれば「自立している」、「親の世帯」等が生活費用の一部でも担っていれば「自立していない」と定義して、最初に職に就いた後と現在の自立の実態を分析しました。
全年代で見ると、最初の仕事に就いた後に半数以上が「自立」しており、男性に限れば6割を超えています。つまり、男性は最初の就職で親からの経済支援を離れ、自分(もしくは自分と配偶者)だけで生活費をまかなう人が多いということです。一方、女性はその比率が下がり、半数を切ります。この調査では、人生の他のタイミングでも同じ質問をしていて、女性の場合、就職しても結婚するまでは親からの支援が続く傾向が見られます。
親の支援に関して補足すると、仕事を辞めた時は男女ともに親の支援が入りますが、離婚した時はそうではありません。離婚しても親が面倒を見てくれないのは、男女に共通しています。