15分都市・人々は都市に何を求めているのか?
2022年4月8日/執筆:ヴァンソン藤井由実 (フランス在住)
写真1:ナント中の島の、かつての造船産業遺産廃棄物を再活用したインスタレーションアート ©︎VINCENT-FUJII Yumi
ロックダウンが意識させた歩行中心の都市環境
欧州で一番最初にイタリアがコロナ対策でロックダウンを始めた2020年2月26日から、2年が経った。その間に人々の働き方が大きく変化した。2020年3月から5月までのロックダウンは日本では想像できないような完全な都市封鎖に近く、オフィス街から人の姿が消えた。フランスでは就労者の7割は自宅待機、或いはリモートワークを経験した[図1]。雇用側のコスト削減の点からもリモートワークが定着しつつあり、必然的に地元の居住地環境や価値に興味を持ち、「暮らしやすいまちとは?」を人々が考える機会につながった。就業地と居住地の関係や、地方移住を含めた居住地選択の見直しが始まり、基本的に「都市とは何か?」という観点から、都市・交通・道路・消費のあり方を検討する動きもみられる。
図1:ロックダウン中(2020年3月から5月中旬)の勤務形態 出典:L’ObSoCo & Forum Vies Mobiles, 2020
最近はメディアで、「都会の狭いアパートでのロックダウンを経て、地方都市の庭付きの家に脱出」のようなタイトルで、「都市流出」が始まったというニュースが頻繁だ。しかし、住居移動に関する十分な新しいデータがまだ揃わないため、確かな検証は困難である。ただ、国民教育・青少年・スポーツ省(日本の文科省に当たる)のデータによると、メトロポールと呼ばれる大都市圏(フランスでは代表的な地方都市を中心として、周辺の複数の自治体で、広域自治体行政連合を構成しており、現在人口40万人以上のメトロポールが21ある)では、2021年9月新学期の小学校への入学者はマイナス1.76%で、就学率が相対的に低下している。特にパリ首都圏(パリ市を中心とするイル・ド・フランス州で、人口約1200万人)では、マイナス2.65%であった。
フランスの世論・マーケティング研究所IFOP(1938年設立。フランス最古の世論調査・マーケティングリサーチ会社で、この市場における主要企業の一つ)の調査では、子育て時代の30代から40代の「都市流出」願望が顕著で、特に人口が15万人前後の中都市(フランス統計経済国立研究所INSEEの定義による)の人気が高い。この規模の都市には、自然との近接性、より広い住宅、短縮する通勤時間、治安の安全と静寂、手頃な生活費など魅力的な要素がある。中都市は、田舎の魅力も大都市のダイナミズムもない都市ではなく、生活の質と最低限のサービスを提供するバランスの取れた居住地として、捉えられるようになってきているのかもしれない。住宅購入の銀行ローン数も多くなり(フランス銀行によると、2020年11月から2021年10月までの12ヶ月間で、融資額は16.7%増加した)、2020年には不動産価格も上昇している。唯一、不動産価格が下落したのはパリで、2020年最終四半期に2.2%下落したが、それでも1平方メートルあたり平均10,367ユーロ(約135万円)である。ちなみにフランスで2021年度の最も住みやすい都市に選ばれた、人口15万人のアンジェ市における高級住宅地でさえも、1平方メートルあたり4,000ユーロを超えない。
図2:フランス人が住まいに求める主な条件(%) (上の線はアンケート対象者のうち、中都市の住民回答、下の線はフランス全土の住民回答。複数回答が可能) 出典:le Monde, Mathilde Costil, Floriane Picard, IFOP
フランスでは2000年代後半より、不動産価格の高いパリ首都圏やメトロポールとよばれる大都市圏から、その通勤可能圏域内にある中小都市やさらに農村部への移住の傾向がみられた(ヴァンソン藤井由実『フランスではなぜ子育て世代が地方に移住するのか』 学芸出版社を参照)。必ずしも人々は大都市居住にこだわらず、地方都市に移動していると言える。それではフランス人にとって暮らしやすい都市の条件は何だろうか?[図2] 医療へのアクセスや、近隣に商店や行政サービスが整っていることを挙げるのは日本と同じと思われるが、フランスでは「利便性の高いモビリティ(公共交通)」が重要だ。また日本では多分「自然との近接性([図2]ではグリーンスペース)」という項もあまり出てこないのではないだろうか? この海外都市レポートでは、フランスの都会の若者が「住みたい」と捉える地方都市の姿を紹介していきたい。
15分都市とは何か
いま理想的な住まいの在り方の一つとして「15分都市」が着眼されている。歩いて15分(あるいは自転車で5分)以内で暮らせる生活 が出来るよう、徒歩移動を中心とした生活環境を指す。フランスでは現在でも全人口の17%が、人口2,000人以下のコミューン(フランスの最小の行政単位で、市・町・村の区別はない)に住んでおり、大都会を小規模なコミューンにおける人的交流があるコミュニティの集合体としてとらえる。15分都市構想は、フランス国内ではパリ、ナント、ディジョン、ミュールーズ、欧州では エジンバラ、ユトレヒト、コペンハーゲン、ミラノ、他にもオタワやメルボルン、上海、広東などが採用している。アメリカ北西部のポートランドでは、すでに 2000 年後半に、「20 minutes neighbourhoods・2030年までに住民の90%が、徒歩または自転車で基本的な日常生活を送れる都市をつくる」と宣言している。15分都市にはさまざまなバリエーションがあるが、共通点は車を必要としない生活である。この考えは世界大都市気候先導グループC40(Cities Climate Leadership Group)の、「環境にやさしく公平な社会を取り戻すプログラム」に取り入れられている。15分都市構想は、都市の中心市街地に公共交通を導入して、ウォーカブルな都心を構築してきたフランスのまちづくりの延長とも考えられる。
図3:必要な都市機能(住居・職場・買い物・娯楽・運動・学び)が徒歩や自転車で15分圏内にある15分都市エリアのイメージ図 出典:パリ市役所HPの図に筆者が日本語を加筆
フランスでは2016年にアーバニストでパリ大学教授のモレノ氏(Carlos Moreno)が、15分都市を「環境、経済活動、社会生活の均衡が取れた、活気のある、生活しやすい都市空間」と定義し、その構想を2020年のパリ市長選挙で現職のイダルゴ市長(前述のC40の2016年から2019年まで議長を務めた)が選挙キャンペーンに利用した [図3]。モレノ氏は、「15分都市構想の発想の原点は、モビリティである。現代の都市生活では移動に長い時間を費やしているが、その時間をより効果的にマネジメントすることでもっと生活を豊かにできないか、という観点から都市計画を考えている」と述べている。ここでもモビリティが一つのキーワードだ。Will this European capital ban cars? – BBC Travel
モビリティと文化の先進都市ナント
ここで暮らしやすい地方都市の一つとして、また15分都市構想も実現しているフランス北西部の自治体ナントを紹介したい。人口は30万人だが、交通計画や住宅供給など主な都市政策は周辺の24コミューンと形成する、広域自治体行政連合ナント・メトロポールが管轄している。その人口は約66万人で、鹿児島市(59万人)や船橋市(62万人)のサイズである。コロナ禍下であった2020年11月に完成した中央駅 [写真2] でみられるように、大西洋への窓口となるナントには活気がある。
写真2:パリからTGVで南西へ2時間30分のナント中央駅 ©︎VINCENT-FUJII Yumi
ナントでは1958年に戦前から運行されていた路面電車が廃止されたが、1985年に近代的なLRT(次世代型路面電車)を導入し [写真3]、フランスでトラム(フランスではLRTはトラムと呼ばれる)を復活させた最初の都市となった。フランス41都市でLRTが走行する現在では、「公共交通導入と共に進める都市景観の再整備」はどの都市でも行なっているが、ナントではいまから30年以上も前に、運行オペレーター事業者が「まちをつくることが、わたしたちの仕事です。」というスローガンを掲げ、交通とまちづくりをすでに融合させた未来的なビジョンを持っていた。現在、83の駅がある長距離路線となり、ストラスブール・ボルドーと並びフランスで最もLRTが利用されている。ナントではBRT(高速バス輸送サービス)もフランスで初めて2003年に採用した。2021年には電気エネルギーで走るe‐bus [写真4、5 ]も導入され、常にモビリティの最先端を行く。
写真3:ブルターニュ公爵城を背景に走るLRT。電停は2020年から2021年にかけて新築されたが、 利便性の高い公共交通には、悪天候からの守備性が高くデザインに優れた電停が必要である。 古城は2014年に完全バリアフリー化され、アフリカと新大陸との三角貿易で栄えた港町ナントの、 15世紀からの歴史を32のホールで展示している ©︎VINCENT-FUJII Yumi
このような進取の気質に富んだ都市政策を早くから進めていたナントでは、オランダ大統領政権下で首相も務めた大物政治家エロー氏(Jean Marc Ayraud)が、市長を23年間務めていた。現在は1979年生まれのローラン女史(Joanna Rolland)が、2014年から市長である。ドイツに占領されていた第二次大戦中、連合軍の空爆による大きな戦禍を受けたために、逆にナントでは思い切った都市計画も可能であった。利便性の高い公共交通ネットワークを充実化させ、できるだけ都心における車利用を抑え [写真6、7]、歩行者専用空間と斬新な自転車専用道路も整備するなど [写真8 ]、都心における道路空間の再配分を1990年代から進め、住みやすい都市を目指してきた。
写真4:2020年に導入された電気エネルギーBRT「e-Bus」。専用レーンを走るので渋滞に巻き込まれない ©︎VINCENT-FUJII Yumi
写真5:背後の塔は、ナントの代表的ビスケット製造企業LU社の工場。 1986年に操業を終えたが、2000年からフランスを代表する現代文化センターとして 再活用されている ©︎VINCENT-FUJII Yumi
写真6:かつては車に占拠されていたナント中心街の大通り 写真提供:ナントメトロポール
写真7:公共交通(LRTとバス)、自転車専用道路、歩行者空間に道路空間を再配分して、 自動車走行用レーンを減らした ©︎VINCENT-FUJII Yumi
写真8:道路空間の中央に自転車専用道路を整備した道路の利用デザイン ©︎VINCENT-FUJII Yumi
2003年、フランスの週刊紙エクスプレス(Express)で、ナントはフランスで「最も緑の多い都市」に、2003年と2004年には、週刊紙ル・ポワン(Le Point)で「最も暮らしやすい都市」に選ばれた。2004年、タイム紙でも「ヨーロッパで最も住みやすい都市」として、2014年には欧州環境都市に選ばれている。「文化を通しての都市の存在のアピールは、少ない投資額に対して見返りが大きい」とのエロー前市長の考えの下、ナントでは文化政策に力を入れてきた。2012年から毎夏行なわれる「ナントの旅 」のプログラムの内容の高さには定評がある。都市そのものを劇場とみなした大がかりなインスタレーションアートを設置し、美術館に足を運ばずとも住民が芸術作品に接することを可能にした [写真9]。このプログラムはコロナ下の2021年も施行された。また、東京、金沢、新潟でも開催されたクラシック音楽のフェスティバル「ラ・フォル・ジュルネ 」の発祥地もナントで 、フランス最大級の音楽祭として2022年1月にも開催された。それぞれのコンサートの入場料を低めに設定して、クラシック初心者でも気軽に音楽祭を楽しめるようにした画期的なこの試みは1995年に始まった。
写真9:ナント市では日常生活の中にアートが入り込んでいる 出典:ナント市のHP
ナント中の島・産業遺産エリアの再開発が結果として15分都市に
1970年代まで、ナント港はロワール川に浮かぶ面積4.6Km2 の中の島にあった [写真10 ]。1835年から中の島の主幹産業であった造船業は、ロワール河口に近いサン・ナゼール(Saint Nazaire)へ移り、最後の船が入水した1987年以降は、ナント中の島は打ち捨てられていた。立地条件が良く、水辺に恵まれた一等地を放置することはできない。自治体が主体となって1991年から337ヘクタール(そのうち150ヘクタールが公共空間)を対象とする、広大な産業遺産地域の再活用計画 に乗り出した。まず乾ドック工場であった建物を中の島産業歴史博物館とし、1996年には新しい裁判所の建設を決定し、2000年に斬新な建物 [写真11 ]が完成した。
写真10:ロワール川に囲まれた中の島。写真の左側が北になる 写真:SAMOAのHP
写真11:ナント中之島の裁判所と、自治体が運営するコミュニティサイクル(地図 ) ©︎VINCENT-FUJII Yumi
開発地帯全体の都市デザインを公募する自治体の入札に対応して、2000年に初代のマスターアーバニストが選ばれた。マスターアーバニストは、土木技師・建築家・景観デザイナー・環境問題や 法律の専門家など異なる能力を持つ専門家の集合体であることが多い [表1]。グリーンスペースの再生を中心とした公共空間の再編成が始まり、計画を総合的に進めるために、2003年に第三セクター(混合経済会社)の土地整備機構SAMOAが設立された。2005年からは産業遺産を再活用した文化施設エリアの建造が始まり、中でも2007年に機械仕掛けの歩く巨大な象 [写真12 ]が完成し、2019年にはビジター数が70万人を超える、中の島観光の中心イベント となった。ロワール川の自然を生かした景観整備も行なわれ[写真13]、ドックや倉庫群をカフェなどの商業施設に転用し、産業遺産物を現代アートに転化させ [写真1]、市民に公共空間を解放した。
表1:マスターアーバニストの位置づけ(筆者作成)
写真12:造船工場の機械を再利用して製造された、口から水を吐きながら前進する象。 「ラ・マシーン(機械)」の愛称で呼ばれ、象に乗るには予約が必要 ©︎VINCENT-FUJII Yumi
写真13:かつての鉄道引き込み線やクレーンなどを そのまま、川岸パークに取り入れた景観整備(地図 ) ©︎VINCENT-FUJII Yumi
2008年からは、住宅 [写真14]やショッピングセンターの建設工事が始まった。2009年、第三セクターのSAMOAが、自治体が100%出資する開発公社SPL(Société publique locale)になり、市長が公社の代表となった。2009年にはナント建築国立学校が移転 [写真15]した。2010年マスターアーバニストチームが交代し、環境保全を重んじた開発にシフトし、2013年に中の島を横断するBRTが開通し、2014年自転車専用道路整備が進んだ。
写真14:低層住宅の建築が進んでいる(地図 ) ©︎VINCENT-FUJII Yumi
写真15:川辺にあるナント建築国立学校正面のテラス。自転車で中の島を一周できる(地図 ) ©︎VINCENT-FUJII Yumi
2016年には3代目マスターアーバニストの新チーム(2024年まで)が選ばれ、2017年には美術大学も開校、ナント大学デジタル学部移転など学術エリアとしての存在感を高めている。2026年完成を目途とした国立病院建設が予定されているが、筆者が2021年9月に訪問した折には、まだ敷地では大きな工事が始まっていなかった。
地図:各写真のロケーション
(左上)低層住宅の建築が進んでいる
(右上)川辺にあるナント建築国立学校正面のテラス
(左下)川岸パーク
(右下)裁判所とコミュニティサイクル
自治体が政策主体となり進めるエリア開発
なぜこんなに時間をかけて開発を続けられるのか、という疑問が出る。それは一貫して自治体が主導し戦術的都市計画を策定し、まちづくりの究極の目的である「暮らしやすいまち」の創生へのコンセンサスが、地方政治家、行政、市民の間で共有する努力がなされてきたからである。フランスの都市空間マネジメントは、自治体が中心的役割を担う行政主導であり、一般財源で行なわれる都市開発事業である。 自治体が策定する都市計画マスタープラン(Plan Local d’Urbanisme intercommunal 。以下、PLUi と言う)は、日本の建築基準法と景観法の内容を合わせ持ち、市議会で必ず議決し運用される都市計画である。この市全体の計画に合致する建築事業(民間主導でも)にのみ、自治体が「建築事業許可」を発行する。つまり、自治体が策定した都市計画に沿わない事業には開発を認めない仕組みにより、都市開発の整合性が守られていると言える [図4と表1 ]。
図4:フランスの建築許可とは?(筆者作成)
表1:マスターアーバニストの位置づけ(筆者作成)
そして「住宅供給と新しい都市計画に関する法」(ALUR)により、2014年にこのPLUiに都市交通計画と住宅計画が統合された。その結果,都市空間の再編成と都市交通計画が整合性を持つことになり、フランス全土で街路交通と沿道土地利用の連携などが進んだ。ナントでは、すでに1990年代から交通と都市景観の総合が行なわれており、大変先進的であった。
このPLUi策定において、土地利用計画のイニシアティブを取るのは首長と議員たちである。都市の将来の姿を決める総合的な都市計画策定には、「都市の明確な将来ビジョンとそれをやり遂げる強い意志」を持つ首長の存在感が大きい。また政治家と行政スタッフとの間で、計画の根本となる哲学と基本的方向性の相互確認作業を行なうので、PLUi策定は議会と自治体との共同作業でもある(ヴァンソン藤井由実・宇都宮浄人著『フランスの中小都市にはなぜシャッター通りがないのか』 学芸出版社を参照)。
中の島開発に関する土地利用規制やさまざまな方向性も、ナント・メトロポールが制定する都市計画マスタープランに記載されている。自治体が政策主体となり開発公社に事業を管轄させていることと、マスターアーバニストを10年ごとに任命して、全体として整合性のある計画を進めていることが特徴である。2000年の都市連帯・再生法(SRU)に依り、自治体が与える建築許可の対象となる新規住宅の25%は、公団住宅であることが定められているので、新建築の住宅地には、比較的年齢が若く中低所得者層の入居が目立つ。こうして事業の社会性にも考慮されている。
フランスではPLUi策定において、警察など公法人に対する意見徴収や調整を経てから行なう市民との合意形成も法律で枠組みができている。ナントではかつてのバナナ倉庫を利用したインフォメーションセンターを情報開示の場として再活用し、住民を対象とした合意形成活動も活発に行なってきた [写真16,17]。現在では住民26,000人に対して200の市民団体がある(1人が複数団体に加盟している)。
ナント中の島は、自転車で移動できる範囲の非常に快適な住居空間であり、たとえ就労先が島の外部であっても、公共交通の利便性が高いので通勤時間1時間以内で十分に島暮らしは成り立つ。計画的に開発してきたので、生活に必要な行政施設、幼稚園、小学校、商業機関、公園(4.6Km2 の敷地に公園が10ある)、医療機関などが、住宅地から遠くない距離に揃っている。開発初期から意図していたわけではないが、結果として15分都市構想にこの中の島が上手くあてはまる。かつては造船所を中心とした産業エリアであったが、いまでは水辺の豊かな自然に恵まれ、歩いて何でもできる住環境を整えた中の島の再開発はこれからも続く。
写真16:中の島開発情報センターはかつてのバナナ倉庫 ©︎VINCENT-FUJII Yumi
写真17:バナナ倉庫での合意形成活動としての住民対象説明会の景観 写真提供:SAMOA
ヴァンソン藤井由実(VINCENT-FUJII Yumi) FUJII Intercultural社代表/著述家/フランス都市政策研究者 大阪出身。大阪外国語大学(現・大阪大学)フランス語科卒業。欧州各地で通訳として活動、またフランス政府労働局公認の社員教育講師として、民間企業や公的機関で「日仏異文化マネジメント研修」を企画してきた。2010年代からは、主に公共交通を導入した都市計画、地方創生、市街地活性化のフランスの事例を研究し、執筆、講演活動と共にフランスでの調査ミッションを企画する。著書に『トラムとにぎわいの地方都市・ストラスブールのまちづくり』(2012年度土木学会出版文化賞受賞)、『フランスではなぜ子育て世代が地方に移住するのか』(2019年)。共著に『フランスの地方都市にはなぜシャッター通りがないのか』(2016年/以上、学芸出版社)。翻訳監修書『ほんとうのフランスがわかる本』(2021年/原書房/在日フランス大使館推薦書)。ロンドン、ミラノ、パリ、ストラスブール、アンジェを初め在欧30年。https://www.fujii.fr
企画・構成:紫牟田伸子(Future Research Institute)