1964年‐2020年東京オリンピックが挟んだ半世紀の東京
ポスト2020「東京の行方」-首都東京の変化を見る-
~AIやIoTがもたらす劇的変化~
第3回 東京の流通小売編
昭和39(1964)年に開催された東京オリンピック。この大会のために東京では首都高速道路の建設、オリンピック道路に指定された都内幹線道路や、東海道新幹線などが完成している。その東京オリンピックは、敗戦からの完全復興と経済大国へ向かう日本の姿を世界中に示す目的があったが、国際化を進める日本の社会で都市生活者が大きな影響を受けたのは「日本の流通小売業」ではなかっただろうか。流通の暗黒大陸と言われた日本に次々と外資流通が入ってきたが、外資に対抗し日本の流通業では流通革命が起こり、小売業では店舗の大型化や店舗のチェーン化が行われた。人口が増え、駅利用者が増えた東京の多くの駅前には小売業の大型化で商業ビルが立ち並び、街の駅前情景は大きく変わった。
半世紀にわたって拡大が続いた東京の都市圏は、現在、東京都区部への人口回帰現象で人口が再び集中しはじめ、同時に高齢化が進行し、東京の都市機能をどう再編するのか喫緊の課題となっている。その中でも商業機能の再編は都市生活者に直接かかわるだけに最重視されるはずだ。なぜなら、日本の消費社会はIT化され、小売業の基本である商業店舗は無店舗の小売業の存在に脅かされる状況になっているからだ。商業を核として出来上がってきたほとんどの東京の街は、大きな転換が求められることになる。小売業経営の将来性も土地の価格と人件費コストの上昇で有店舗経営が困難になっている。
社会環境変化への対応、購買スタイル変化への対応、競争差別化、情報管理システムの新構築、新しいサービスの提供など、時代と共に変化してきた流通小売業は、いま大きな社会の変わり目に立っている。
本レポートは、大都市東京がどのように移り変わってきたのかを「人口・世帯」「ライフスタイル」「建築物」「地域開発」「交通」「小売業・流通業」のカテゴリーごとに分析・予測してゆく連載レポートであるが、今回の第三回レポートは『流通小売業』編である。現在も激変する東京の流通小売業の変遷とどのように発展し、変化してきたのかを確認する。(第二回レポートは『交通編』 6月28日発行)
執筆者 マーケット・プレイス・オフィス代表 立澤芳男(たつざわよしお)
■流通系企業の出店リサーチ・店舗コンセプトの企画立案
/都市・消費・世代に関するマーケティング情報収集と分析
■現ハイライフ研究所主任研究員
■元「アクロス」編集長(パルコ)/著書「百万人の時代」(高木書房)ほか
1964年‐2020年東京オリンピックが挟んだ半世紀の東京 第2回レポート全文は以下のPDFでお読みいただけます。
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