1964年‐2020年東京オリンピックが挟んだ半世紀の東京
ポスト2020「東京の行方」-首都東京の変化を見る-
~AIやIoTがもたらす劇的変化~
第2回 東京の交通インフラ鉄道編
東京オリンピック以降、東京一極集中を前提とした経済活動は、人口動向や交通網に大きな影響を与えてきたが、逆もある。東京近郊の鉄道網は次々と東京に乗り入れするなど、東京の鉄道網の路線拡大と輸送の強化で郊外に人口が分散する中、鉄道路線で就業者と都心業務とを結び、その地位を強靭にした。人口の郊外居住化とする分散政策は事実上、東京都心業務機能の集中をもたらした。
1964年の東京オリンピック開催から約半世紀。2020年に東京で再びオリンピック・パラリンピックが開催されるが、この半世紀で大都市東京は大きく変化した。その大変化を促したのは東京の鉄道網の拡充に他ならない。交通網の拡充による駅利用者の増減動向は、東京各地の都市機能に大きな変化を生んでいる。駅利用者が増えた多くの駅前は、ほとんど商業ビルが立ち並ぶようになった。都市機能の強化を促した東京の鉄道だが、その鉄道網は東京の郊外に道路と共に伸びる放射状に形成されているため、ラッシュ時などの満員電車や交通渋滞については、以前より緩和されているものの、根本的に解消される見通しは立っていない。また、居住地の選択は交通の利便性が重視され、通勤・通学や買い物を含む日常生活においても交通の利便性が問われるようになっている。現在、東京では一極集中した多くの都市機能をどう再編するのか、組み替えてゆくのかが課題となっているが、その解決策は、各地域の交通機能のダイナミックな再編がカギになる。
本レポートは、大都市東京がどのように移り変わってきたのかを「人口・世帯」「ライフスタイル」「建築物」「地域開発」「交通」「小売業・流通業」のカテゴリーごとに分析・予測してゆく連載レポートである、今回の第2回レポートは『交通』編である。現在の集中し続けた交通という都市機能がどのように発展し、変化してきたのかを確認する。(第1回レポートは『人口』編 5月25日発行)
執筆者 マーケット・プレイス・オフィス代表 立澤芳男(たつざわよしお)
■流通系企業の出店リサーチ・店舗コンセプトの企画立案
/都市・消費・世代に関するマーケティング情報収集と分析
■現ハイライフ研究所主任研究員
■元「アクロス」編集長(パルコ)/著書「百万人の時代」(高木書房)ほか
1964年‐2020年東京オリンピックが挟んだ半世紀の東京 第2回レポート全文は以下のPDFでお読みいただけます。
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