2015年度研究報告
都市生活者意識調査2015分析編
目次
第1章 本研究の目的
第2章 都市生活者の暮らし向きと消費
第3章 都市生活者の社会意識
第4章 都市生活者と家庭生活
第5章 都市生活者の情報行動
第6章 都市生活者の都市居住
第7章 高齢者の生活実態
第8章 まとめ
本研究の位置づけ
公益財団法人ハイライフ研究所では創設以来、「都市生活者のよりよい生活の実現」を目的に都市生活研究を行なってきている。「都市生活Jとは、高度に産業化した社会での現代のライフスタイルと定義される。戦後わが国では、経済の発展と産業の高度化により、都市機能が整備され、モノの普及も相まって豊かな生活が実現されてきた。生活環境と個人の2つの側面で“都市化”が進行し、めまぐるしく変化する現代の生活環境の中で、都市生活者のライフスタイルは変化し続けており、 都市生活研究の重要性が高まっていると考えられる。財団が行なう研究は、現状分析や問題点の指 摘の域にとどまらず、持続可能な都市居住の実現に導くための方向性の提示や示唆までを広く世の中に発信し、社会に貢献していくことを目標にしている。
2015年度は、「都市を中心とした生活者のよりよい生活の実現・構築へ向けた調査研究」として展開されている。その全体像は、「2つの研究テーマ」と「ホームページ企画」、そして 消費者調査「都市生活者意識調査」で構成され、これらの成果の発信まで含まれている。
調査研究体制
櫻井 隆治 公益財団法人ハイライフ研究所専務理事
水嶋 敦 自由学園最高学部特任教授
丹野 俊明 株式会社行動科学研究所特別顧問
高津 伸司 公益財団法人ハイライフ研究所顧問
生方 純一 公益財団法人ハイライフ研究所事務局局長
谷口 明美 公益財団法人ハイライフ研究所研究員
東京10km~ 20km圏、その魅力。
“ 生き続けられるまちとは?”
Phase2
都市の魅力を構成する要素とは?
■研究背景
ハイライフ研究所は「都市生活者のよりよい生活の実現への貢献」を理念とした研究財団で、本年度で設立22 年を迎えます。設立以来、都市生活者を見つめながらさまざまな調査・研究をしてまいりました。
近年、多くの都市が高齢化と少子化を伴いながら人口減少の時代を迎え、経済の停滞、所得・雇用の低下と相まって社会構造そのものが大きく変化している環境において、当財団では、「持続可能な都市居住の実現に向けた知見の獲得、社会との共有」を事業目的に据え、調査・研究を実施しその成果を配信しております。
平均寿命の伸びや出生率の低下により、少子高齢化が急速に進み、現在、人口増加している東京都も2020 年には人口1335 万人をピークに減少の一途を辿ると言われています。また、2025 年には団塊世代が後期高齢者年齢を迎え超高齢化の時代が始まり、一方、年間死亡者数も160 万人に達します。それに加え、結婚しない団塊Jr. と雇用不安による未婚率の上昇による単身者の急増は、これまでの都市やまちの姿を変えていくに違いありません。これまでの家族を核に据えたロールモデルは通用しなくなり、都市やまちに求められる機能や要素も大きく変わっていくことが予想されます。
■研究テーマ
少子高齢化、人口減少がすでに兆候として現出している中、東京10km ~ 20km のドーナツ圏には、依然として元気なまち、活性化しているまちが数多く存在しています。(*人口・世帯数、駅乗降客数、商業統計、等から)このエリアにフォーカスをあてて、都市の魅力を構成する要素を解明していきます。
本研究は2014 年度と2015 年度の2 年間に亘る研究であり、2014 年度はPHASE1 として「仮説の抽出」(2014年度研究報告)、2015 年度はPHASE2 として「仮説の検証」を行ないました。
■研究体制
◆研究幹事
櫻井隆治(公益財団法人ハイライフ研究所 代表理事 副理事長)
◆研究リーダー
服部圭郎(明治学院大学 経済学部教授)
◆研究員
榎本元(株式会社読売広告社 都市生活研究所 執行役員)
高木克昌(タカギセイコープランニングオフィス 代表)
谷口明美(公益財団法人ハイライフ研究所 研究員)
生方純一(公益財団法人ハイライフ研究所 事務局長)
◆研究協力
立澤芳男 氏(マーケット・プレイス・オフィス代表)
三浦展 氏(株式会社カルチャースタディーズ研究所 代表)
水嶋敦 氏(自由学園最高学部 特任教授)
■報告書
目次(前編)
第1章 研究概要
公益財団法人ハイライフ研究所 専務理事
櫻井隆治
1. 研究背景
2. 研究テーマ
3. 研究プロセス
4. PHASE1 中間報告(概要)
5. 研究体制
第2章 都市(街)探訪レポート
マーケット・プレイス・オフィス 代表
立澤芳男
1. レポートにあたって
2. 9 エリアの都市(街)探訪レポート
3. 総括
第3章 デ ータから見た都市の魅力を構成する要素
公益財団法人ハイライフ研究所 専務理事
櫻井隆治
タカギセイコープランニングオフィス代表
高木克昌
第4章 都市酵母探検隊レポート分析
明治学院大学 経済学部教授
服部圭郎
第5章 都市酵母探検隊グループインタビュー
公益財団法人ハイライフ研究所 研究員
谷口明美
第6章 ま ちのエキスパートヒアリング
カルチャースタディーズ研究所代表
三浦展
自由学園 最高学部特任教授
水嶋敦
第7章 結論
明治学院大学 経済学部教授
服部圭郎
東京10km~ 20km圏、その魅力。
“ 生き続けられるまちとは?”
Phase2
都市の魅力を構成する要素とは?
講演録
目次
主催者挨拶
櫻井隆治 公益財団法人ハイライフ研究所 専務理事(現:代表理事 副理事長)
<第1部>
◆基調講演
「人間の居る場所」
三浦 展 カルチャースタディーズ研究所代表
◆研究報告
「都市酵母探検隊・研究成果の報告」
服部 圭郎 明治学院大学 経済学部教授
<第2部>
◆パネルディスカッション
「都市の魅力とは」
コーディネーター:服部 圭郎
パネリスト:石田 祐也 水嶋 敦 榎本 元
当財団では創設以来、「都市生活者のよりよい生活の実現」を目的に都市生活研究を行っています。都市生活とは、高度に産業化した社会での現代のライフスタイルと定義され、戦後わが国では、経済の発展と産業の高度化により都市機能が整備され、モノの普及も相まって豊かな生活が実現されてきました。しかしながら、生活環境と個人の二つの側面で『都市化』が進行し、めまぐるしく変化する現代の生活環境(経済環境の変化、社会構造の変化、超高齢社会)のなかで、「持続可能な都市居住」を考えるにあたり大きな問題がいくつも浮上してきています。
このような厳しい環境変化の中で、今なお活性化しているまちが、東京10㎞~20㎞圏の“準都心エリア”に多数存在していることを注目し、2014年度から2年間に亘り研究を行ってきました。1年目は仮説の抽出のために、当該エリアのマーケティングデータの解析、生活者1,125人に対する調査、国内外の建築・都市計画・環境デザインに携わる著名人への取材を行ないました。
2015年度は仮説の検証のために、当該エリアに存在する代表的なまちを抽出し、それぞれのまちの地形・風土・歴史、交通網、居住者、産業基盤、商業施設、集客拠点などのマーケティングデータ分析を事前スタディとして行い、そして生活者1350人に対する意識調査、国勢調査データの分析を行ったうえで、フィールドワークチームを編成し踏査を行ない、まちの専門家による分析を施し、『都市の魅力を構成する要素』とは何なのかを解明いたしました。その研究成果の報告の一環として、セミナーを開催させていただき、講演録を編集致しました。
高齢者のライフスタイルに関する基礎研究
-アクティブタイムとドメインを探る-
目次
はじめに
第1章 調査研究の目的と概要
第2章 高齢者生活実態調査
第3章 高齢者GPS調査
第4章 まとめと考察
資料 高齢者GPS調査個別データ
公益財団法人ハイライフ研究所では創設以来、「都市生活者のよりよい生活の実現」を事業理念とし都市生活研究を行ってきています。
現在、日本は人口減少、経済の長期低迷など、過去に経験したことがない多くの重大な困難に直面しています。国民生活に大きな影響を与えている少子高齢化、経済のグローバル化、慢性的な国内需要不足といった社会変化に適切に対処していくことが重要です。なかでも少子高齢化の急速な進行は深刻であり、年金や医療・介護など社会保障制度の将来に対する不安が、節約志向と貯蓄の意識を高め支出を鈍らせ構造的なデフレ体質による経済低迷をもたらしています。また雇用環境や労働環境も大きく変化している。非正規雇用の労働者や低所得者層の増加により経済循環はますます鈍化している。さらには少子高齢化や単身高齢者世帯の増加による世帯構造の変化など国民の暮らしが上向くイメージが描きにくい時代ではありますが、当財団では本年度から2年間に亘り「超高齢社会における次世代高齢者の幸福の追究」と、豊かな生活を営むための「経済循環(消費の活性化)」に主眼をおき以下の研究を行っています。
A.次世代高齢者研究
2025年、高齢化社会はこう変わる。~現50代が及ぼす影響と、高齢者の幸福の追究
B.近未来消費研究
高齢化と人口減に伴う、消費行動変化の研究~消費者と流通の未来
これらの研究をスタートさせる事前準備として、当財団で2010年から毎年実施している「都市生活意識調査」の2015年度調査を活用し、高齢者の日常生活行動に関する基礎データを取得しました。(全調対象の中から65歳から79歳の標本に対し高齢者専用の質問)
※「都市生活者意識調査2015」http://www.hilife.or.jp/wordpress/?p=13284#02
さらには新たな調査手法として、株式会社パスコの開発による『GPS行動分析システム』
を活用し、対象者に1週間GPS端末機を持っていただき、地図ソフト上に分刻みの行動をプロットして、日常的な外出行動を把握し、
①高齢者のアクティブタイム(活動時間帯)
②高齢者のドメイン(生存領域)
を明確化しました。
標本は「都市生活者意識調査2015」の回答者の中で顕著な行動特性が現れた18名を抽出し実行しました。今回の調査はあくまでも実験的な試みであり標本数が限られているため定量的な分析においては精度に欠ける部分がありますが、特徴的な傾向を見ることができましたので、新しい調査手法の公開の意義も含めて、報告書の形で公表することと致しました。
調査研究体制
◆ 調査研究機関
公益財団法人 ハイライフ研究所
◆ 調査研究幹事
櫻井隆治
(公益財団法人ハイライフ研究所 代表理事副理事長)
◆ 調査実施担当
株式会社 行動科学研究所
株式会社 パスコ
◆ 調査研究担当
水嶋 敦
(自由学園 最高学部 特任教授)
丹野俊明
(株式会社 行動科学研究所 特別顧問)
藤原 豊
(公益財団法人ハイライフ研究所 執行理事専務理事)
生方純一
(公益財団法人ハイライフ研究所 事務局長)
奥野 守
(株式会社パスコ ビジネスソリューション技術部ビジネス一課 課長)
雨宮源太
(株式会社パスコ ビジネスソリューション技術部ビジネス一課)
大嶋俊之
(株式会社パスコ ビジネスソリューション技術部ビジネス一課)
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