2014年度研究報告


講演録:縮退懸念の東京50km圏をゆく


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目次
◆主催者挨拶
髙津伸司 / 公益財団法人ハイライフ研究所 代表理事/副理事長
第一部 プレゼンテーション

◆マップで見る東京50km圏の現状と趨勢
中川智之 / NPO法人日本都市計画家協会理事、(株)アルテップ代表取締役

◆東京50km圏郊外住宅地視察報告
高鍋剛 / NPO法人日本都市計画家協会理事、(株)都市環境研究所主任研究員

◆住宅地の成熟と縮退
大月敏雄 / 東京大学大学院工学系研究科教授

◆郊外を継承するのは誰か?
柴田建 / 九州大学大学院人間環境学研究院助教
第二部
◆東京圏郊外地域の世代交代の見通し
藤井多希子 /(一社)政策人口研究所代表

◆パネルディスカッション「縮退懸念の東京50km圏をゆく」
パネリスト 大月敏雄 / 柴田建 / 中川智之 / 高鍋剛 
コーディネーター 藤井多希子 /(一社)政策人口研究所代表



研究背景
わが国は2005年以降、人口減少が進み、2013年に高齢化率が25%を上回った。これら社会構造の変化とは無縁と思われていた首都・東京圏でも郊外遠隔部において、住民の高齢化と住宅ストックの加齢化により、不動産価格の急落と空き家の急増等、住宅地が荒廃する<縮退>現象が起きようとしている。実際に、東京50㎞圏では、高齢化率、空き家率の上昇が目立ち、各市町村は将来人口推計においても厳しい見通しとなっている。 
 しかし、縮退は東京圏の遠隔郊外住宅地に一様に訪れているわけではない。同一市町村内でも、世帯流入や住宅更新ができている住宅地と、コミュニティの維持が日々困難になっている住宅地との差が明瞭になってきた。人口減少の向かい風は、住宅地の縮退格差を拡大していくだろう。 
 本セミナーでは、縮退の波を乗り越えていく市町村や住宅地の現状を紹介すると共に、郊外研究に取り組んでいる方々を迎えて、今後の郊外居住の持続可能性への知恵を<交感>していきたい。


都市生活者意識調査2014分析編


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目次

第1章 本研究の目的

第2章 都市生活者の都市居住

第3章 都市生活者の暮らし向きと消費
 
第4章 都市生活者のワークライフ・バランスと家庭生活

第5章 都市生活者の社会意識

第6章 都市生活者の情報行動

第7章 まとめ



本研究の位置づけ
 公益財団法人ハイライフ研究所では創設以来、「都市生活者のよりよい生活の実現」を目的に都市生活研究を行なってきている。
 『都市生活」とは、高度に産業化した社会での現代のライフスタイルと定義される。戦後わが国では、経済の発展と産業の高度化により、都市機能が整備され、モノの普及も相まって豊かな生活が実現されてきた。生活環境と個人の2つの側面で“都市化”が進行し、めまぐるしく変化する現代の生活環境のなかで、都市生活者のライフスタイルは変化し続けており、都市生活研究の重要性が高まっていると考えられる。
 財団の都市生活研究は、「都市を中心とした生活者のよりよい生活の実現・構築へ向けた調査研究」(2014年度計画)として展開されている。その全体像は、「2つの研究テーマ」と「ホームページ企画」、そして消費者調査「都市生活者意識調査」で構成され、これらの成果の発信まで含まれている。財団が行なう研究は、現状分析や問題点の指摘の域にとどまらず、持続可能な都市居住の実現に導くための方向性の提示や示唆までを広く世の中に発信し、社会に貢献していくことを目標にしている。

研究体制
高津伸司 公益財団法人ハイライフ研究所代表理事
水嶋 敦 自由学園特任教授
丹野俊明 株式会社行動科学研究所
櫻井隆治 公益財団法人ハイライフ研究所専務理事
高津春樹 公益財団法人ハイライフ研究所常勤顧問
萩原宏人 公益財団法人ハイライフ研究所事務局長
生方純一 公益財団法人ハイライフ研究所事務局次長
上野昭彦 公益財団法人ハイライフ研究所主任研究員


都市生活者意識調査2014データ編


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目次

1.調査要領

2.基本構成

3.調査結果の概要
 
4.ライフステージ別に見た都市生活者

5.世帯年収別

6.前年までの結果との比較

(付)アンケート票


研究体制
高津伸司 公益財団法人ハイライフ研究所代表理事
水嶋 敦 自由学園特任教授
丹野俊明 株式会社行動科学研究所
櫻井隆治 公益財団法人ハイライフ研究所専務理事
高津春樹 公益財団法人ハイライフ研究所常勤顧問
萩原宏人 公益財団法人ハイライフ研究所事務局長
生方純一 公益財団法人ハイライフ研究所事務局次長
上野昭彦 公益財団法人ハイライフ研究所主任研究員


『高齢化と加齢化で進む都市居住の新陳代謝』 PHASE3
東京圏遠郊外、縮退格差時代の到来


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目次

第1章
研究概要
髙津伸司
1. 研究背景
2. 研究テーマ
3. 研究方法
4. 研究体制
5. 研究成果の開示

第2章
マップで見る50km圏
市町村の現状と趨勢
1. 調査の主旨・目的
 2. 東京50km圏の現状
 2. 1 広域圏での状況
2. 2 50km圏市町村の現況
3. 50km 圏市町村人口の将来推計
4. 計画住宅地の年代別供給状況
5. まとめ

第3章
50km圏に立地する
具体地区のフィールド調査
【1】季美の森
【2】ウッドパーク四季の丘成田神崎
【3】光葉団地
【4】ガーデンシティ湖南
【5】鳩山ニュータウン
【6】めじろ台
【7】湘南ハイランド

第4章
首都圏遠郊外ニュータウンの
人口増減と世代交代の見通し
藤井多希子
1. 目的
2. 分析の手法と対象
3. 市区町村レベルでの人口の世代間バランス
4. 東京圏ミクロレベルでの人口減少と世代交代
5. まとめ

第5章
遠郊外地域の地域分析と
今後の再生方向
1. フィールド調査地区の地域分析
2. 50km 圏郊外部の活性化に向けて
3. 本調査研究の見どころと今後への期待

研究背景
 全国の多くの都市が超高齢化と少子化を伴いながら人口減少の時代を迎えました。社会構造の変化は、経済の停滞、所得・雇用の低下と相まって、社会保障の持続可能性がわが国の一大課題として立ちはだかることになりました。
 そしてまた、戦後初めて大都市が縮小していく可能性を迎えるなかで、高齢化と同時進行していく老朽住宅の積み上がりや空き家の増大が都市居住の風景を変えつつあります。
 ハイライフ研究所は、大都市東京圏に〈都市居住の新陳代謝の時代〉の到来を予感し、持続可能な都市居住の行方について、中期的視点に立って調査研究をしております。
 2012年度は、東京圏10 ~ 20km圏の居住の最大の特徴である単身世帯の急増にスポットを当て、「シングル居住都市の行方」について調査研究を行いました。
 2013年度は、東京圏の郊外部に視線を移し、高齢化の加速、都心居住指向の進展、住宅ストックの加齢化、空き家率の上昇、不動産価格の下落等に見舞われる「東京郊外居住の憂鬱」について調査研究を進めました。
 そして2014年度は、2013年度の研究成果を踏まえ、縮退圧力が日々高まっていく東京50km圏に位置する市町村、名だたる住宅地の分析及びフィールドワークに取り組むことにしました。
 人口減少時代に訪れる縮退は、市町村や住宅地の格差を増幅させていくことでしょう。
 縮退の波を乗り越えていこうとする市町村や住宅地の現状を把握するとともに、遠隔郊外居住の持続可能性についての多彩な知見を獲得しようと調査研究に取り組みました。

研究体制
◆ 研究幹事
髙津伸司
(公益財団法人ハイライフ研究所副理事長)

◆ 研究員
渡會清治
(NPO 法人日本都市計画家協会副会長/株式会社アールトゥ計画事務所代表取締役)
中川智之
(NPO 法人日本都市計画家協会理事/株式会社アルテップ代表取締役)
永久史郎
(株式会社アルテップ)
楠亀典之
(株式会社アルテップ)
三村隆浩
(株式会社アルテップ)
高鍋剛
(NPO 法人日本都市計画家協会理事/株式会社都市環境研究所主任研究員)
實方理佐
(株式会社都市環境研究所)
生方純一
(公益財団法人ハイライフ研究所事務局次長)
木村静
(公益財団法人ハイライフ研究所研究員)

◆ 研究顧問
大月敏雄
(東京大学大学院工学系研究科建築学専攻教授)
藤井多希子
(一般社団法人政策人口研究所代表)


東京10km~ 20km圏、その魅力。“ 生き続けられるまちとは?” Phase〈Ⅰ〉
都市の魅力を構成する要素とは?


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目次

■第1章
研究概要
櫻井隆治
1. 研究背景
2. 研究テーマ
3. 研究プロセス
4. 研究体制
5. 研究成果の開示

■第2章
東京10km~ 20km圏のエリア分析
「変貌する東京大都市圏2020 」マーケティングレポート
立澤芳男

■第3章
データから見た都市の魅力を構成する要素
– 都市生活者意識調査2014より-
榎本元
高木克昌
・ 調査概要
・ 魅力感じる街因子分析結果
・ 東京10 ~ 20km圏の「魅力を感じる街」についての分析
・ 東京10 ~ 20 km 圏のエリアマーケティングの考察
・ 東京10 ~ 20 km 圏のまちが将来にわたり生き続けるまちとなるために(仮説)

■第4章
世界のスーパーマイスター11人が語る、「都市の魅力を構成する要素は何か?」
服部 圭郎

■第5章
総括
服部 圭郎

研究背景
 ハイライフ研究所は「都市生活者のよりよい生活の実現への貢献」を理念とした研究財団で、本年度で設立22 年を迎えます。設立以来、都市生活者を見つめながらさまざまな調査・研究をしてまいりました。
 近年、多くの都市が高齢化と少子化を伴いながら人口減少の時代を迎え、経済の停滞、所得・雇用の低下と相まって社会構造そのものが大きく変化している環境において、当財団では、「持続可能な都市居住の実現に向けた知見の獲得、社会との共有」を事業目的に据え、調査・研究を実施しその成果を配信しております。
 平均寿命の伸びや出生率の低下により、少子高齢化が急速に進み、現在、人口増加している東京都も2020 年には人口1335 万人をピークに減少の一途を辿ると言われています。また、2025 年には団塊世代が後期高齢者年齢を迎え超高齢化の時代が始まり、一方、年間死亡者数も160 万人に達します。それに加え、結婚しない団塊Jr. と雇用不安による未婚率の上昇による単身者の急増は、これまでの都市やまちの姿を変えていくに違いありません。これまでの家族を核に据えたロールモデルは通用しなくなり、都市やまちに求められる機能や要素も大きく変わっていくことが予想されます。

研究体制
◆ 研究幹事
櫻井隆治(公益財団法人ハイライフ研究所 専務理事)

◆ 研究リーダー
服部圭郎(明治学院大学 経済学部教授)

◆ 研究員
榎本元(株式会社読売広告社 執行役員)
高木克昌(株式会社読売広告社 都市生活研究所 研究員)
萩原宏人(公益財団法人ハイライフ研究所 事務局長)
生方純一(公益財団法人ハイライフ研究所 事務局次長)
木村静(公益財団法人ハイライフ研究所 研究員)

◆ 研究顧問
立澤芳男(マーケット・プレイス・オフィス代表)


講演録:都市の魅力を構成する要素とは?


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目次
◆主催者挨拶 
櫻井隆治 / 公益財団法人ハイライフ研究所専務理事

<第1部>
◆都市の魅力を構成する要素とは何か?
服部圭郎 / 明治学院大学経済学部教授

<第2部>
◆データから見た都市の魅力を構成する要素
榎本 元/ 株式会社 読売広告社 執行役員 

◆あかりのちから
長町 志穂/ 株式会社 LEM 空間工房代表取締役

◆都市の魅力の構成要素とは?
泉 英明/ 有限会社ハートビートプラン代表取締役 一般社団法人水都大阪パートナーズプロデューサー

◆都市空間の可能性
太田 浩史/ 建築家 博士(工学)

◆都市の魅力の創造者達に聞く都市への眼差し
パネリスト 長町志穂 / 泉英明 / 太田浩史 / 榎本元
コーディネーター 服部圭郎

来場者アンケート集計結果


開催趣旨
 平均寿命の伸びや出生率の低下により少子高齢化が急速に進み、現在、人口増加している東京都も2020年にはピークを迎え減少の一途を辿りはじめます。また、2025年には団塊世代が後期高齢者年齢を迎え超高齢化の時代が始まります。 
 ところが、高齢化・少子化の波が押し寄せている現在において、今なお活性しているまちが東京10㎞~20㎞圏の“準都心エリア”には多数存在しております。 
 当財団では、研究活動のひとつとして、「東京10km~20km圏、その魅力。“生き続けられるまち”とは?」をテーマに、東京10km~20㎞圏を対象としたまちのポテンシャルについての研究を2014年度から2015年度の2年間に亘り行っております。“なぜそのまちは元気なのか”を解き明かす、すなわち『都市の魅力を構成する要素や条件』を明確化することにより、他エリアの今後の活性化の一助となることを目標に研究を進めております。
 今回のセミナーは、研究活動の一環であり、また2年間の研究の中間発表的位置づけにあります。研究のプロセスとして、ヤン・ゲール氏、ジャイメ・レルネル氏、トーマス・ジーバーツ氏、隈 健吾氏、 三浦 展氏、面出 薫氏をはじめとする都市計画・建築・環境デザイン等に携わる11人のスーパーマイスターの方々へ取材をさせていただき貴重なお考えを拝聴することが出来ました。併せて生活者に対する意識調査を行い数量的な解析も行いました。今回のセミナーはこれら結果を踏まえ、プレゼンテーションとパネルディスカッションを行ないます。

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