2010年06月 アーカイブ

あかりで何を照らすのか 角館政英氏インタビュー(1)

 今回は、「光のまちづくり」を提唱されている照明家の角館政英氏にお話を伺いしました。角館氏は従来の画一的な街路灯のあり方に疑問を呈し、人々の生活に根ざした親しみのある照明を追及するため、住民を交えた照明実験ワークショップを行うなど全国各地で精力的に活動されています。
 あるべき光環境とはどういうものなのか、それが実現することによって物理的な環境だけでなく、住民の気持ちがどのように変化していくのかなど、「光のまちづくり」の意義について語っていただきました。
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「光のまちづくり」事例(左:横浜元町、右:岩手県大野村)


角館政英氏プロフィール
照明家、一級建築士、博士(工学)
ぼんぼり光環境計画代表取締役
日本大学理工学部建築学科卒業、同大学院建築学専攻修士課程修了、2009年博士(工学)取得。
TLヤマギワ研究所、ライティングプランナーズアソシエーツ(LPA)を経てぼんぼり光環境計画設立。
金沢美術工芸大学非常勤講師、武蔵野美術大学非常勤講師、関東学院大学非常勤講師など。
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あかりで何を照らすのか 角館政英氏インタビュー(2)

― なぜ銚子のような街路灯が多いのでしょうか。

◇ 実態にそぐわない基準
 そもそも光環境を設計するには、照度基準というのがあります。この基準を守らずに何か問題が生じた場合は、国の責任になってしまいます。だから、国の担当者は当然、照度基準を守るように指導するのが常識となる。ここで、日本の歩行者のための照度基準についてお話します。

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