2011年08月23日
都心景観の再構築に向けたルールづくりとその運用 ~大丸有・銀座・御堂筋を例に~ その1
編集局 大澤昭彦
1.はじめに
私は東京生活ジャーナルで主に、街の景観をどのように形成していくか、という視点で考察を行ってきた。本稿では、特に、都心の景観づくりという視点に絞り、東京生活ジャーナルで取り上げた大手町・丸の内・有楽町(以下、大丸有)地区、銀座地区の2地区に加え、大阪の御堂筋地区を取り上げ、それぞれのルールづくりや運営手法の特徴を比較・整理することで、都心景観の再構築に向けたルールのあり方を提示し、まとめとしたい。
・東京生活ジャーナル 丸の内地区
・東京生活ジャーナル 銀座ルール
1990年前後、東西の都心、大丸有地区、銀座地区、御堂筋地区においては、景観の再構築が共通の課題となっていた。それぞれの地区では、かつての絶対高さ31m制限下で建てられた建物の更新時期を迎えるとともに、都心部における他地区との「地区間競争」の激化といった要因が重なったこともあり、抜本的な市街地の更新が図られていくことになる。
市街地の更新にあたっては、いずれの地区でも容積率の緩和が推進力として活用されている。容積率の緩和による街並みの変化は避けられない。しかし、野放図に変化を認めるのではなく、それまでに形作られてきた地区の歴史的な背景を踏まえつつ、都市の価値を高めるための街並みのあり方を地元と行政が模索しながらルールとして規定、運用している点が特徴と言える。
そういった意味で、街並みの現状凍結ではなく、都心景観の再構築を選択した大丸有、銀座、御堂筋の各地区のルールづくりや運用手法は大いに参考になる点がある。
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- 東京生活ジャーナル
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