渋谷の街の姿とそこを訪れる人々の行動は、駅を底としたすり鉢状の地形によって規定されている。辰巳さんは、駅から坂を上った先に見えない壁があり、それが周りに閉じたこの街を訪れる人々の行動圏を縁取っているとし、川上さんは、駅に向かって下る地形の連想から街の要素のあり様を流れや滞りに喩えて記述し、それが計画性とは無縁な成り行きまかせの結果と見る。添田さんは、この街の道のパターンにY字路が多いことを発見して、それが分かりにくさの原因となっていること、またその分岐点にある建物が持つランドマークとしての優位性を指摘している。石垣さんは、これまで新しい商業スタイルをリードしてきた中心が時代とともに移り変わってきたこと、そしてその過去のなごりが沈殿して今日の各エリアの特徴となっていることを示して、本人が渋谷に抱いてきたイメージと重ね合わせて熱く語っている。 |
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