持続可能な自治体コンテスト Part1 (1/4)

持続可能な自治体コンテスト
~ドイツの事例から~

発表:山口美奈子氏

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1.環境首都コンテストとその背景


2.1970年代という時代

  ・ローマクラブ『成長の限界』
   急激な人口増加、工業化、栄養不足、環境の悪化、
   天然資源の枯渇についてのコンピュータシュミレーション
  ・「戦後」から次の時代へ
  ・新社会運動の起こり
  ・女性運動、平和運動、環境運動、反原発運動など
  ・議場外の野党


3.環境首都コンテスト

  ・コンテスト主催団体
   ドイツ環境支援(Deutsche Umwelthlife)
  ・開催年数
   1989年から1998年の間に9回開催
  ・参加自治体数
   数えで1,356の自治体(630の異なる自治体)が参加
  ・プロジェクトパートナー
   BUND、NABU、など7つの全国区の環境団体
  ・コンテスト始めたきっかけ
   「競争」の概念を地方自治に応用すること
  ・参加自治体の特徴
   中小規模の自治体の参加が目立った
  ・コンテストの流れ
   アンケート配布⇒集計⇒環境首都の選定
  ・「環境首都」の称号
   毎年1位になった自治体が「環境首都」として表彰された

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持続可能な自治体コンテスト Part2 (2/4)

持続可能な自治体コンテスト
~ドイツの事例から~

発表:山口美奈子氏

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4.1989年時の質問項目

  ・自治地の組織
  ・土地の保全と種の保全
  ・国際的な環境保護
  ・飲料水の保全と排水の浄化
  ・科学殺虫剤
  ・環境負荷の値
  ・農業
  ・河川の自然保護  
  ・交通  
  ・ごみ処理
  ・省エネ

5.歴代の環境首都

  1989エアランゲン(Erlangen)
  1990エアランゲン(Erlangen)
  1991ネッタースハイム(Nettersheim)
  1992フライブルグ(Freiburg)
  1993ネッタースハイム(Nettersheim)
  1994エッカーンフェルデ(Eckernforde)
  1995バート オインハウゼン(Bad Oeynhausen)
  1996ハイデルベルグ(Heidelberg)
  1997ミュンスター(Munster)
  1998ハム(Hamm)

6.コンテストの内部効果

  ・環境対策で必要な部分、かけている部分が明確になった。
  ・コンテストを通じて具体的なプロジェクトや行動プログラムが構成され、実行された。
  ・環境の有益さに行政がより敏感になった。
  ・行政の中で環境対策の評価が上がった。
  ・これまで取ってきた自治体の環境保護政策が認知された。
  ・コンテスト通じて環境行政の自己意識が高まった。

7.コンテストの外部効果

  ・コンテストは社会に対して効果的で、住民や近隣の自治体に対して
   市のイメージを向上することができた。
  ・コンテストを通じて地域の環境団体との共同作業が密になり、環境行政の質が向上した。
  ・市民に行政が環境問題に取り組んでいることをより一層理解してもらえた。
  ・地方自治の代表者たちが一層環境課題とつながることができた。
  ・他の市町村と情報交換を行った。

8.持続可能な発展とアジェンダ21

9.持続可能な発展とは?

  Our commonFuture(ブルントライト報告書)より
  ・持続可能な発展とは次世代のニーズを満たすことが出来ないかもしれない、
  という危険を避けながらも、現在生きている人のニーズを満たすことの出来る発展の方法。
  ・環境とは私達が生活しているところ、発展とは我々の運命をよりよいものにしていくために
  私達が試みるすべてのことを言う。この2つを分けて考えることはできない。


10.アジェンダ21

11.第28章:アジェンダ21の指示における地方自治体のイニシアチブ

  ・アジェンダ21で提起されている諸問題及び解決策の多くが
  地域的な活動に根ざしているものであることから、
  地方公共団体の参加及び協力が目的達成のための決定的な要素になる。
  (…)地方自治体はその管理のレベルが市民に最も直結したものであるため、
  持続可能な開発を推進するよう市民を教育し、動員し、
  その期待・要求に応えていくうえで重要な役割を演じている。


12.第40章:意思決定のための情報

  ・GNP (国民総生産)や個々の資源量あるいは汚染の広がりの測定値等、
  一般に用いられている指標は持続可能性を表示する指標としては不適切である。
  環境、人口統計、社会、開発の各分野のパラメータ相互の関係を評価する方法は
  十分に開発、適用されていない。
  あらゆるレベルにおける意思決定に信頼できるシステムの自己規制による
  持続可能性に寄与するために、持続可能な開発の指標を開発する必要がある。

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持続可能な自治体コンテスト Part3 (3/4)

持続可能な自治体コンテスト
~ドイツの事例から~

発表:山口美奈子氏

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13.ローカルジェンダ21とは?

  ・地方自治体が持続可能な発展を行うための行動指針
  ・地方自治体のあり方の変革
   社会の全ての「当事者」が政治に参加すること
   話し合いで合意を得る
  ・中心となるテーマ
   自然環境の保護
   社会的公正
   経済活動の安定性
  ・LA21を成立させるふたつの軸
   自治体の持続可能な将来像の決定
   将来像実現に向けてのプロジェクト

14.ドイツでのLA21の広がり

15.指標と持続可能な自治体コンテスト

16.持続可能な自治体コンテスト

  ・開催回数
   2001年から2004年の間に3回開催
  ・参加自治体
   LA21を行っている自治体だけが参加対象
  ・コンテストを始めたきっかけ
   「持続可能性」の計測手段の提案
  ・参加自治体数
   第1回目は91、第2回目は76、第3回目は63の自治体が参加
    (数えで230、175の異なる自治体が参加)
  ・コンテストの流れ
  アンケート配布⇒集計⇒持続可能な都市選定
  ・「持続可能な自治体」の称号
   各人口カテゴリーで1位だった都市に贈られた

17.指標とは?

  ・現況を示すもの
   現在の状態を表示するものであり、その状況を説明するものではない
  ・継続性を必要とする
   データ収集方法の確立、データ管理
  ・時代とともに指標の見直しの可能性
   実社会で有効活用されるために、時代背景にあった指標の選択

18.持続可能性を示す指標

  ・健やかな生活のためのまちづくり
  ・社会的公正
  ・自然環境の保護と効率的な資源の使用
  ・経済の安定性

19.持続可能な自治体コンテスト

  指標1 健やかな生活のためのまちづくり

   自転車道の長さ
   肥満児の数
   人口の推移
   自家用車の台数/人口
   保養、レクリエーションのための土地
   子どもの交通事故
   犯罪率
   騒音
   バス、電車の接続
   協会、クラブの活動
   住宅地周辺の暮らし向き

  指標2 社会的公正

   小さな子どものあずかり施設
   男女の平等
   移民者の教育参加へのチャンス
   障害者の社会参加
   生活保護の受取人数
   自治体か らの青少年の活動場の提供
   支払可能な住宅数
   自治体の第3世界事業のへの参加
   子ども、青少年のための施設
  
  指標3 自然環境の保護と効率的な資源の使用

   住宅地の樹木の本数
   自然エネルギーの生産量
   ごみ処理
   保護されている自然景観
   土地利用の現状
   河川の水質
   有効な土地利用
   消費される飲料水の量
   省エネ
   交通手段の選択度

  指標4 経済の安定性

   失業率
   環境配慮を行っている事業者数
   職業訓練の受け入れ状況
   自治体の負債額
   環境に配慮した農業
   求人数
   バランスのとれた経済構造
   独立企業の数
   商業面積に対する労働者数


20.LA21の実行性の確認

  ・LA21のプロセス
   議会がLA21を行うことを承認しているか
   LA21を行う上で必要な事務作業に行政が関わっているか
   定期的にLA21のプロセスで起こったことが公表されているか
   議会とLA21参加者との間に定期的な意見交換がなされているか

  ・意思決定のシステム
   会議等でLA21参加者全員が平等に話せる仕組みがあるか
   LA21参加者が優先すべき課題を共有しているか

  ・効果
   行政、議会、自民グループが共有する指標はあるか
   参加者全員で決定したプロジェクトが実行に移されたか
   定期的な報告書は作られているか

21.結果

  ・健やかな生活のためのまちづくり
  ・社会的公正
  ・環境保護
  ・経済の安定性

22.持続可能な自治体コンテストの結果


23.2004年以降の取り組み

  ・2005 省エネナンバーワン自治体コンテスト
  ・2006 気候保護の連邦首都コンテスト
  ・2007 自然保護の連邦首都コンテスト
  ・2008 気候保護の連邦首都コンテスト
    (ただし参加を人口が20,000人以下の自治体に限定)

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持続可能な自治体コンテスト Part4 (4/4)

持続可能な自治体コンテスト
~ドイツの事例から~

発表:山口美奈子氏

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24.日本の環境首都コンテスト

  ・開催回数
   2001年から今年度で8回目
  ・主催者
   環境NPO「環境市民」(京都)を中心に12の環境団体
  ・参加自治体数
   
25.第6回 参加自治体

26.日本の環境首都コンテスト

27.環境首都になる条件

  ・総合で第1位であること
  ・総合点が満点の70%以上であること
   (714点以上/1020点満点)
  ・15分野中、3項目以上が満点の90%以上の点数を得ていること
  ・15分野中、満点の50%以下の点数の項目が3項目以であること

28.Oldenburger Agenda 21

29.プレゼント市

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