総括
今年度は、4人の専門家がそれぞれ「景観」、「生活」、「街の構造」、「商業」という視点から4つのエリアのフィールドワークを行った。その結果、従来から指摘されている事柄にとどまらず、都市の魅力につながる事項が発見的に数多く報告された。それらは、フィールドサーベイという研究手法の性格上、「街への訪問者」という限られた視点からものではあったが、当初の目的である、隠れている「都市の価値」の「言語化」について、一定の成果が得られたと考える。その上で、今年度のまとめとして、都市の価値や魅力を探る第一歩は街の特徴を捉えることであると考え、街の特徴を読み解くためのキーとなる概念の例示を行った。今後、この成果を踏まえ、街の特徴と人々が感じている価値との関係性の提示や、「訪問者」以外の視点からの価値の追求を進めることにより、さらに成果が深められるものと考える。 |