研究報告
団塊の世代についてはさまざまな研究が行われてきた。しかし団塊ジュニアへの研究はさほど進んではいない。さらに団塊世代と団塊ジュニア世代とを比較し、そこから変化の方向を見出そうという研究はまだほとんど行われていない。団塊の世代から団塊ジュニア世代へ引き継がれている価値観、団塊ジュニア世代が独自に創造しようとしている新しい価値観について知るには、世代間比較を通じてしか明らかに出来ない。
団塊の世代はベビーブーマー世代として、戦後民主主義の先端に立つ世代であった。男女平等教育を受け、学生時代は学生闘争をおこすなど、変革のパワーを持つ世代であった。又、ニューファミリーなどと呼ばれて夫婦対等の家族観を持つともいわれる。その価値観は先進的であり、家族主義であり、個性重視であるといわれる。一方団塊ジュニアは親である団塊の世代のそうした価値観を引き継ぐと同時に、それを徹底させMEイズムともいわれる別の価値観へと進化させているといわれる。
日本が少子高齢社会となった今日、代表的なこの2世代において、何がどう継承され、何がどう新しく創造されているのかを知ることは大変重要と考える。
団塊世代と団塊ジュニア世代との価値観比較研究
1.はじめに
2.研究フレーム
3.調査概要
4.<団塊的価値観>とは?
5.参考:<団塊度>の定義
6.家族形成期の団塊世代の価値観とは…
7.現在の団塊世代が持つ価値観は…
8.団塊世代の変質
9.団塊世代の生活目標
10.団塊ジュニア世代の価値観
11.団塊世代はフリーターやニートを生み出したか
12.結婚しない団塊ジュニア世代とは…
13.「自分らしさ」についての考え方
14.「自分らしさ」に自信を持っているのは…
15.「下流」意識について
16.団塊世代と団塊ジュニア世代との関係
17.つかず離れずの支援関係を望んでいる
18.<利>型から<快>型ライフスタイルへ
19.性役割分担にとらわれない<個>のライフスタイルへ
20.<自分創造型>のグループが世代のリーダー
21.これからの15年間は2世代共同参画時代となる